
病気で休んだら収入は?傷病手当金を会社員・フリーランス別に計算
会社員が病気で休むと、健康保険から給料の約3分の2が出ます。標準報酬月額30万円なら1日6,667円、164日で約109万円。一方、国民健康保険の傷病手当金は法律上「任意」。転…
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「預金は1,000万円まで守られる」。よく聞く話ですが、この1,000万円は口座ごとの額ではありません。1つの銀行に、1人あたりです。普通預金800万円と定期預金500万円を同じ銀行に置いている人なら、合わせて1,300万円のうち300万円は保護の枠から外れます。外れた分は、銀行に残った財産しだいで一部しか戻らないことがあります。日本では2010年に、実際にそれが起きました。珍しい話ですが、ゼロではありません。逆もあります。利息のつかない「決済用預金」は、金額に関係なく全額が保護されます。
預金保険は、銀行が破綻したときに預金者を守るための保険です。保険料は銀行が預金保険機構に納めています。預金者の手続きは不要です。預けた時点で、法律にもとづいて自動的に保険がかかっています。
範囲は2種類。
決済用預金は、利息がつかず、いつでも引き出せて、公共料金の引き落としや給料の受け取りに使える、という3つを全部満たす預金のことです。会社がよく使う当座預金や、利息のつかない普通預金がこれに当たります。預金保険機構のよくある質問には、商売をしていない個人でも使えると書いてあります。
この上限つきの守り方を「定額保護」、よく使われる呼び名で「ペイオフ」といいます。上限つきの保険です。
口座を分けても、枠は増えません。同じ人が1つの銀行に口座をいくつ持っていても、預金保険機構が全部を1人分にまとめてから1,000万円を当てはめます。このまとめる作業を「名寄せ」といいます。同じ人かどうかは、氏名・生年月日・住所・電話番号などの預金者データで確かめます。結婚や引っ越しで変わったら銀行に届けてほしい、と機構が書いているのはこのためです。
細かい決まりも3つ。
例外もあります。合併の特例です。銀行が合併したり事業の全部を引き継いだりしたあとの1年間は、枠が「1,000万円×合併に関わった銀行の数」に広がります。2行の合併なら2,000万円です。1年を過ぎると、1つの銀行として1,000万円に戻ります。
仮の人で数字にします。Aさんは、1つの銀行に利息つきの普通預金800万円と定期預金500万円を置いています。利息は少額なので、表では金額を省きます。
| 計算の段 | Aさんの場合 |
|---|---|
| 名寄せで合算した元本 | 800万円+500万円=1,300万円 |
| 預金保険で守られる元本 | 1,000万円(+破綻日までのその利息) |
| 枠の外になる元本 | 300万円(+その利息) |
| 枠の外の扱い | 破綻した銀行の財産の状況に応じて支払われる。一部カットされることがある |
どの300万円が外れるかにも順番があります。担保になっていない預金が先に枠に入り、次に満期の早い預金、同じなら金利の低い預金、という順で機構が決めます。Aさんは選べません。
置き方を変えると、どうなるか。
| もし〜だったら | 守られる額 | 枠の外 |
|---|---|---|
| いまのAさん(どちらも利息つき) | 1,000万円+利息 | 300万円+利息 |
| 普通預金800万円が決済用預金だったら | 1,300万円すべて | なし |
| 定期500万円が外貨預金だったら | 普通預金800万円+利息 | 外貨預金500万円(対象外) |
| 2行が合併して1年以内の銀行だったら | 1,300万円すべて(枠は2,000万円) | なし |
3行目は要注意です。外貨預金の500万円が丸ごと枠の外になります。合計が枠に届いていなくても、外貨預金は最初から数に入りません。
対象外の預金は、こうです。
仕組預金(金利が上がる代わりに条件がついた預金)にも注意がいります。守られる利息は、同じ期間・同じ額の普通の円定期の店頭金利までです。それを超える上乗せ分は対象外になります。
銀行にも線引きがあります。対象は、日本に本店がある銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫などです。ゆうちょ銀行は2007年10月の郵政民営化で対象になり、機構の一覧(2026年8月3日現在)にも載っています。民営化の前に預けた定額郵便貯金などは、預金保険とは別に政府の支払保証が続いています。
対象外は、日本の銀行の海外支店、外国銀行の在日支店、政府系金融機関です。看板に「銀行」とあっても、外国銀行の日本支店は外れます。農協・漁協は「貯金保険制度」という別の仕組みで守られています。
「枠を超えたらカットされることがある」は、机の上の話ではありません。2010年9月10日に破綻した日本振興銀行は、預金保険ができて以来はじめて定額保護で処理された例です。預金保険機構のサイトにある論文によると、1,000万円の枠を超える預金を持っていた人は3,423人。枠を超えた分について機構が先に払う「概算払」の率は25%、その後の再生計画での最初の弁済率は39%でした。
39%を当てはめると、枠から100万円はみ出していた人が最初の弁済で受け取るのは39万円です(筆者の計算)。残りの61万円は、その時点では戻っていません。
このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。2つ目は「自分が損する場合は書いてある?」です。
「日本の預金は預金保険で守られている」は正しい説明です。ただ、損する側の条件が抜けやすい。5つあります。今回原文で確かめた「守られない」場面を並べると、こうなります。
銀行の窓口やアプリで商品をすすめられたときは、「これは預金保険の対象ですか」と聞けば一言で片づきます。
証券会社に預けたお金や株・投資信託は、預金保険の対象ではありません。別の仕組みです。
まず「分別管理」。証券会社は、お客さんの資産と自分の財産を分けて管理することが法律で決められています。分けて管理されていれば、証券会社が破綻してもお客さんの資産は基本的に返ってきます。額が大きくても同じです。
分別管理がうまくいかず返せなかった分だけを、日本投資者保護基金が1人あたり1,000万円まで補償します。株の値下がりや、債券を出した会社の破綻による損は補償しません。FX(外国為替証拠金取引)や店頭デリバティブも補償の対象外です。銀行で買った投資信託も基金の補償の対象ではありませんが、銀行にも分別管理は義務づけられています。
同じ「1,000万円」でも、預金保険は預金そのものを守り、証券の基金は分別管理の失敗だけを埋めます。
私なら、まず銀行ごとの合計を先に確かめます。通帳やアプリの残高を、銀行単位で足すだけ。5分もかかりません。支店や口座が分かれていても、同じ銀行なら1つにまとめて数えます。どの銀行も枠に届かないなら、預金保険の心配はそこで終わりです。
次に、外貨預金や仕組預金を「預金保険の外にあるお金」として別に数えます。名前に預金とついていても、守られ方は円の普通預金と違うからです。
そのうえで、生活防衛のお金(病気や失業のときに崩すお金)をどこに置くかを考えます。休んだときに何か月分いるかは、傷病手当金を会社員・フリーランス別に計算した記事で確かめました。医療費の上限は高額療養費の計算のほうです。いざというときに崩すお金ほど、預金保険の枠の内側に置いておきたいと私は考えています。
次にやることを1つ挙げるなら、いちばん多く預けている銀行の合計額を出してください。枠を超えているかどうかがわかれば、今日はそこまで。
あなたの預金のうち、預金保険の枠の外にあるお金はいくらありそうですか?
利息のつく普通預金や定期預金などは、1つの金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円までと破綻日までの利息等です。利息がつかず、いつでも引き出せ、引き落としなどに使える決済用預金は全額守られます(預金保険機構)。
守られません。同じ金融機関にある同じ人の預金は「名寄せ」で合算してから1,000万円が当てはめられます。支店が違っても同じ銀行なら合算です。同じグループでも別の銀行なら、銀行ごとに1,000万円です。
外貨預金は対象外です。ゆうちょ銀行は2007年10月の郵政民営化から対象金融機関で、2026年8月3日現在の預金保険機構の一覧にも載っています。外国銀行の在日支店は対象外です。