投資・税金・年金・家計を、だまされずに確かめるブログ

年金・老後公開 2026-09-30 ・ 更新 2026-09-30

iDeCoの始め方の手順|申し込む前に確かめる3つと手数料の仕組み

このページには広告(アフィリエイトリンク)を含むことがあります。

iDeCoの始め方の手順

iDeCoの申し込みは、書類を出すだけなら1日で終わります。ただ、一度入ると原則60歳まで引き出せません。窓口の金融機関をあとで変えるのにも、書類を出してから2〜3か月ほどかかります。だからこのページでは、申し込む前に確かめる3つを先に置き、そのあとに手順を並べました。手数料は3層です。国の側の分は、加入時2,829円と、掛金を払うたびに105円です。

書いている私は、相場のロジックを100以上検証してきたシステムエンジニアです。年金や税の専門家ではありません。書いたのは、iDeCo公式(国民年金基金連合会)・厚生労働省・国税庁の原文を今日開いて確かめたことと、前提を書いた計算だけです。

先に1分チェック

  1. 国民年金で、あなたは第何号ですか。会社員・公務員は第2号、自営業やフリーランスは第1号、会社員に扶養されている配偶者は第3号です。上限も書類も、ここで分かれます
  2. 60歳まで触らなくてよいお金は、毎月いくらありますか。最低は月5,000円で、1,000円単位です
  3. 会社員なら、掛金は自分の口座から払いますか、給料から天引きにしますか。会社に頼む書類が要るかどうかが、これで決まります

申し込む前に確かめる3つ

1. 自分の上限:立場と会社の年金で決まる

iDeCo(個人型確定拠出年金=自分で掛金を出して運用し、原則60歳以降に受け取る年金)の掛金には、立場ごとに上限があります。会社員で企業型DCや確定給付型の年金がある人は、会社の掛金を引いた残りが上限です。

立場別の上限と、2026年12月分からの引き上げはiDeCo掛金の上限を立場別にまとめた記事に書きました。申し込み書類には掛金の月額を書く欄があるので、その記事で上限を出してから進むと、書き直しになりません。

2. 60歳まで原則引き出せない。加入が10年に届かないと受け取りも遅れる

iDeCo公式のよくある質問は、加入後は原則、60歳以降の受給年齢に届くまで資産を引き出せない、と書いています。途中で受け取れる「脱退一時金」はありますが、国民年金の保険料を免除されているなど、決められた要件を全部満たした人に限られます。

もう1つあります。受け取り始められる年齢です。60歳から受け取るには、60歳までの加入期間など(通算加入者等期間)が10年以上要ります。足りないと、開始が後ろにずれます。

60歳までの通算加入者等期間受け取りを始められる年齢
10年以上60歳
8年以上10年未満61歳
6年以上8年未満62歳
4年以上6年未満63歳
2年以上4年未満64歳
1年以上2年未満65歳

出典:iDeCo公式「iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等」、厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」(2026年9月30日確認)。60歳以上で初めて加入した人は、加入から5年たった日から受け取れます。受け取りは75歳までに始めます

仮の人で見ます。55歳で加入して60歳まで掛けた人は、通算5年です。表の「4年以上6年未満」に入るので、受け取りは63歳からになります。50歳で入って10年掛けた人なら、60歳から受け取れます。

3. 手数料は3つの層。国の分は決まっていて、窓口の分は窓口ごとに違う

払う先は3つです。

払う先何の費用か額
国民年金基金連合会(iDeCoを運営する団体)加入の手続き、掛金の引き落とし加入時2,829円(初回のみ)、掛金を払うたびに105円
運営管理機関(申し込みの窓口になる金融機関)口座の管理、運用商品の案内など窓口ごとに違う
事務委託先金融機関(資産を預かる信託銀行)積み立てたお金の管理、給付の事務窓口を通じて確かめる。窓口ごとに違う

出典:iDeCo公式「加入手続きについて」「よくあるご質問」(2026年9月30日確認)。金額は税込。連合会の分は掛金から差し引かれます。国民年金の保険料が未納の月に掛金を払っていた場合は掛金が返され、その際1,048円が引かれます。このほか、運用商品によっては信託報酬(持っている間ずっと引かれる手数料)がかかります

国の側の分だけを計算すると、毎月掛ける人の1年目は2,829円+105円×12回=4,089円、2年目からは年1,260円です。この額は、どの窓口でも同じです。差が出るのは2段目と3段目、それに運用商品の手数料です。窓口ごとの額はこのページでは並べていません。窓口の案内で「毎月いくら、誰に払うか」を3段に分けて書き出すと、見落としが減ります。

手順は5つ。会社員の「会社の証明書」は、給料天引きを選ぶ人だけ

手順1:窓口の金融機関を1つ選ぶ

iDeCoの申し込みは、国民年金基金連合会が載せている「運営管理機関一覧」の金融機関を通して出します。選べるのは1社だけ。iDeCo公式は、判断の材料として口座管理の手数料、運用商品の種類(信託報酬の高さを含む)、サービス内容を挙げています。

あとで窓口は変えられます。ただ、運用している商品をいったん現金にするなどして、書類を出してから移し終えるまで2〜3か月ほどかかると公式に書かれています。その間、お金は運用から外れます。最初の1社はゆっくり選んだほうが、結局は早いと私は思います。

手順2:加入申出書と口座振替の依頼書を出す

窓口から「個人型年金加入申出書」と「預金口座振替依頼書兼自動払込利用申込書」をもらい、書いて窓口に出します。一部の窓口では、スマートフォンやパソコンからの電子申請もできます。書くときに要るのは、基礎年金番号(基礎年金番号通知書、青い年金手帳、ねんきんネットなどで確かめられます)、掛金の月額、引き落とし口座です。

迷うのは会社の書類です。今のiDeCo公式の届書の一覧では、会社の証明書(事業主払込に関する証明書)が要るのは「給料天引き(事業主払込)で払いたい第2号の人」の欄だけです。自分の口座から払う「個人払込」なら、加入の書類に会社の証明は入っていません。

2024年12月より前は、会社員が入るときに会社の証明書を出すのが通常でした。国民年金基金連合会は2022年1月の事業主向けのお知らせで、会社の年金の情報を「企業年金プラットフォーム」から受け取れるようになるので、事業主証明書は2024年12月以降に廃止する方向だと書いています。私が確かめた範囲では、2024年12月改訂の事業主向けの手引きでも、会社の確認・証明が要るのは事業主払込を選ぶ場合です。

手順3:国民年金基金連合会が加入資格を確かめる

出した書類は、窓口から国民年金基金連合会に回ります。連合会は申出書の中身を、日本年金機構の登録情報や企業年金プラットフォームの登録情報と照らし合わせます。加入できないと分かった人には「加入者資格不該当通知書」が届きます。

加入が認められると「加入確認通知書」が届き、そこに記録関連運営管理機関(口座の記録や給付の手続きを受け持つ機関。略してRK)の連絡先が書いてあります。受け取るときの請求先は、ここです。通知書は捨てずに、年金手帳と同じ場所にしまっておくのが安全です。

手順4:初回の引き落としは、早くて翌月26日

加入日は、窓口で申出書を受け付けた日です(不備で戻された場合は、出し直して受け付けた日)。掛金はその月の分から払い、毎月の分は翌月26日に口座から引き落とされます(金融機関が休みの日は翌営業日)。

公式の例では、2月7日に出して認められた人は3月26日から引き落としが始まり、この回は2月分です。2月22日に出した人は4月26日が初回で、2月分と3月分の2か月分がまとめて引かれます。月の中旬以降に出すと、初回が翌々月になることがある、と公式は書いています。具体的な日程は窓口に聞くように、とも書いてあります。

引き落としは月1回。残高が足りなくて引けなかった月は、あとから払えません。その月は、掛金を払わなかった扱いになります。

手順5:運用商品と配分を決める

運用商品は、窓口が選んで示す3〜35の商品の中から選びます。掛金の何%をどの商品に回すかという配分も、自分で決めます。iDeCo公式は、窓口は商品の説明はするけれど、特定の商品は勧められない、と書いています。

選ばずに放っておいたら?窓口が「指定運用方法」を決めている場合、最初の掛金を払った日から3か月以上と、さらに2週間以上の猶予(長さは窓口が決める)を過ぎると、その商品を選んだものとみなされて買われます。

掛金は全額が所得控除。会社員は年末調整で手続きする

国税庁のタックスアンサー(コード1135)によると、iDeCoの掛金(個人型年金加入者掛金)は「小規模企業共済等掛金控除」の対象で、控除できるのはその年に払った掛金の全額です。所得控除は税を計算する前の所得から引く仕組みなので、引く元の所得がない人には効きません。

手続きは払い方で分かれます。

軽くなる税の額は、所得や家族の状況で変わります。私が計算した例は上限の記事に載せましたが、あなたの場合の額は税務署か税理士に確かめてください。

このページの広告について:3つ目の質問を、このページ自身に当てる

このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。3つ目は「勧める人は何で収入を得ている?」です。

iDeCoの説明を読むときも、書いた人の収入源を見ると読み方が変わります。窓口の金融機関は、口座管理の手数料や運用商品の手数料で収入を得ます。比べる記事を載せているサイトの多くは、読者が申し込むと紹介料を受け取ります。悪いことではありません。ただ、書き手がどこからお金を受け取るかは、読む前に知っておきたい情報です。

このページも同じです。先に書いておきます。

広告の1社が、あなたに合う窓口とは限りません。手順1のとおり、選ぶのはあなた自身です。

この手順が当てはまらない人

私ならこうする

書き手のアイコン書き手

私なら、窓口を探す前に、上限と「60歳まで触らない額」を先に決めます。上限は入れてよい線で、目標ではありません。途中で使うかもしれないお金まで入れると、手順2の書類を書く前の段階でつまずきます。

次に、窓口の案内を読むときは手数料を3段に分けて書き出します。国の分の年1,260円は、どこでも同じです。そこから先の2段が窓口で変わるので、「毎月いくら、誰に」を並べてから決めます。

受け取る側も先に見ておきます。一時金で受け取るときの税は退職金の税金を勤続年数ごとに計算した記事と同じ退職所得控除の話になりますし、公的年金との組み合わせは年金を繰り下げたら何歳で元が取れるかで月単位に計算しました。老後にいくら要るかがまだ決まっていないなら、「老後2,000万円」の前提を確かめた記事が先です。

このページでわからないこと

次にやることを1つ挙げるなら、ねんきんネットか基礎年金番号通知書で、自分の基礎年金番号と第何号かを確かめてください。申出書で最初に書く欄です。

あなたは、掛金を自分の口座から払いますか、給料からの天引きにしますか?

iDeCo公式(国民年金基金連合会)・厚生労働省・国税庁の公開情報をもとに、制度の一般的な手続きと仕組みを説明したものです(2026年9月30日確認)。特定の金融機関や運用商品をすすめるものではなく、個別の税や投資の助言でもありません。計算例は仮の人の前提を置いたものです。

よくある質問

iDeCoを始めるには何をすればいいですか

運営管理機関一覧に載っている金融機関から1社を選び、個人型年金加入申出書と口座振替の依頼書を出します(一部は電子申請も可)。国民年金基金連合会が加入資格を確かめ、認められると受付日が加入日になり、掛金は翌月26日から引き落とされます(iDeCo公式)。

会社員がiDeCoに入るとき、会社の証明書は要りますか

今のiDeCo公式の届書の一覧では、会社の証明書(事業主払込に関する証明書)が要るのは、掛金を給料天引き(事業主払込)で払いたい場合です。自分の口座から払う個人払込なら、加入の書類に会社の証明は入っていません。

iDeCoの手数料はいくらですか

国民年金基金連合会の手数料は加入時2,829円と、掛金を払うたびに105円です(税込)。このほか窓口の運営管理機関と、資産を預かる事務委託先金融機関の手数料があり、額は窓口ごとに違います。運用商品によっては信託報酬もかかります。