
失業保険は自己都合でいつから?2025年4月から給付制限1か月に
2025年4月1日以降に自己都合で辞めた人は、失業保険の給付制限が原則1か月に。30歳・賃金日額1万円の仮の人なら支給対象まで47日、90日分で567,630円。教育訓練での解…
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勤続10年で退職金500万円。この人が払う税金は、所得税と住民税を合わせて75,525円です。500万円の1.5%ほど。小さい。税がかかるのは、500万円から控除を引いた残りの、さらに半分だけ。この人なら50万円です。ところが書類を1枚出し忘れると、支払いのときに102万円が引かれます。あとで確定申告をすれば戻りますが、いったんは5分の1が消えます。転職や独立で会社を辞める前に、退職金の税金の計算を国税庁の原文でたどりました。
退職金は、給料とは別に税金を計算します。手順は3段。
まず、退職金から「退職所得控除」を引きます。長く勤めた人ほど大きくなる、税金のかからない枠です。次に、残った額を2分の1にします。この半分にした額が「退職所得」で、ここに税率をかけます。税率は最後です。
控除の額は、国税庁のタックスアンサー No.1420 でこう決まっています。
勤続20年なら800万円、30年なら1,500万円。大きな枠です。障害者になったことが直接の原因で辞めた場合は、これに100万円が足されます。
勤続年数に1年未満の端数があれば、1年に切り上げます。国税庁の例では、10年2か月は11年です。
9年7か月でも10年として数えるので、控除は400万円になります。1か月でもはみ出せば、控除は40万円増えます。たった1か月で、です。
もう1つ、転職した人に関わる決まりがあります。勤続年数は、原則として退職金を払う会社で続けて働いた期間です。前の会社の年数は、退職金の規程でその期間を計算に入れると決まっていなければ足されません。
仮の人を3人置きます。3人とも会社員(役員ではない)で、2026年中に退職金を受け取り、「退職所得の受給に関する申告書」を会社に出したとします。
| Aさん | Bさん | Cさん | |
|---|---|---|---|
| 勤続期間→勤続年数 | 9年7か月→10年 | 2年4か月→3年 | 30年 |
| 退職金 | 500万円 | 500万円 | 2,000万円 |
| 退職所得控除 | 400万円 | 120万円 | 1,500万円 |
| 退職所得(税率をかける額) | 50万円 | 230万円 | 250万円 |
| 所得税(復興特別所得税込み) | 25,525円 | 135,282円 | 155,702円 |
| 住民税 | 50,000円 | 230,000円 | 250,000円 |
| 税金の合計(退職金に対する割合) | 75,525円(1.5%) | 365,282円(7.3%) | 405,702円(2.0%) |
AさんとBさんは、同じ500万円なのに税金が5倍近く違います。なぜか。
理由の半分は控除です。勤続10年と3年で、控除は400万円と120万円。残りの半分は、次の節の「5年以下のルール」です。
勤続5年以下の人の退職金は「短期退職手当等」と呼ばれ、2022年1月1日以後に払われる分から計算が変わりました。退職金から控除を引いた額のうち、300万円を超える部分は2分の1にしません。
Bさんで追います。数字はこうです。500万円から控除120万円を引くと380万円です。300万円までは半分にして150万円。超えた80万円はそのまま足して、退職所得は230万円になります。
もし全部を半分にできたら、退職所得は190万円で、税金は合計286,995円でした。この決まりで、Bさんの税金は78,287円増えています。
役員はもっと厳しい。役員として5年以下の人の退職金(特定役員退職手当等)は、300万円に関係なく半分にしません。
逆に言えば、控除を引いた残りが300万円以下なら、勤続5年以下でも普通と同じ計算です。勤続3年で退職金400万円なら、残りは280万円なので全部半分にできます。
このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。1つ目は「その数字の出典は?」です。
「退職金は2割も税金で引かれた」という話を見かけることがあります。出典を国税庁でたどると、20.42%という率が出てきます。これは退職金の税率ではありません。「退職所得の受給に関する申告書」を会社に出さなかったときに、支払いの段階で引かれる率です。
| 申告書を出した | 申告書を出さなかった | |
|---|---|---|
| 引かれる所得税(Aさん・500万円) | 25,525円 | 1,021,000円 |
| 引かれる所得税(Cさん・2,000万円) | 155,702円 | 4,084,000円 |
| 確定申告 | 原則いらない | 自分で申告して精算する |
申告書を出すと、会社が退職所得控除と2分の1を使って税額を計算し、その分だけ引いてくれます。出さないと控除が使われないまま20.42%が引かれ、差額は本人が確定申告で取り戻すことになります。Aさんなら差は約100万円。大金です。戻ってくるお金とはいえ、独立したての時期に翌年まで待つのは重いです。
数字だけが切り取られて広まるとき、どの場面の率なのかが抜け落ちます。20.42%は「出し忘れたとき」の数字です。税率とは別物。
退職所得控除は、同じ期間に2回使えないように調整されます。勤めた期間が重なる退職金を何年かのうちに2回受け取ると、重なった年数の分だけ、後の控除が小さくなります。
iDeCoや企業型の確定拠出年金を一時金で受け取ると、これも退職金と同じ扱いで、この調整の対象になります。国税庁 No.2732 では、重なりを見る期間が次のように書かれています。
いわゆる「5年ルール」と呼ばれていたものが、2026年から「10年」になった形です。倍です。調整されるのは、勤めた期間と加入していた期間が重なる部分だけです。
どちらを先に、いつ受け取るのがいいかは、人ごとの年数と金額で変わります。この記事では仕組みの紹介までにとどめます。ここは税理士の領分です。
私なら、まず入社日と退職予定日から勤続年数を数えます。1年未満の端数が切り上がるので、「あと何か月で1年増えるか」も一緒に見ます。数えたら、控除の式に入れて退職金と比べるだけ。電卓で1分です。
勤続5年以下なら、次に「退職金−控除」が300万円を超えるかを確かめます。超えなければ、普通の計算のままです。それで終わり。
辞めるときは、退職金を受け取る前に「退職所得の受給に関する申告書」を出したかを会社の担当に確かめます。独立してすぐの時期は、ほかに会社員時代と変わる手続きが続きます。住民税の払い方は副業の住民税の記事で、辞めたあとの健康保険と病気で休んだときのことは傷病手当金を立場別に計算した記事で確かめました。退職金の税金は小さく済む人が多い一方で、辞めたあとの保険の穴は大きいことがあります。私はそちらを先に確かめます。
退職金を受け取ったあと、次の仕事が決まるまでの収入はどうなるか。自己都合で辞めた場合、失業保険が出ない期間は2025年4月から原則1か月に短くなりました。自己都合で辞めたときの失業保険で、辞めてから何日目に対象になるかを計算しました。
次にやることを1つ挙げるなら、入社日を確かめて、勤続年数を1年未満切り上げで数えてください。20年以下なら、その年数に40万円をかければ控除の額が出ます。
あなたの勤続年数だと、退職所得控除はいくらになりましたか?
退職金から退職所得控除を引き、残りを2分の1にした額に所得税と住民税の税率をかけます(国税庁 No.1420)。勤続10年・退職金500万円なら控除400万円、退職所得50万円で、所得税25,525円・住民税50,000円です(筆者の計算)。
勤続20年以下は40万円×勤続年数(最低80万円)、20年超は800万円+70万円×(勤続年数−20年)です。1年未満の端数は1年に切り上げます(国税庁 No.1420)。
「退職所得の受給に関する申告書」を出さないと、退職金×20.42%が源泉徴収されるためです(国税庁 No.2732)。確定申告をすれば、控除を使った本来の税額との差が精算されます。