投資・税金・年金・家計を、だまされずに確かめるブログ

税金・相続公開 2026-10-30 ・ 更新 2026-10-30

年末調整、令和8年分の変更点は?従業員が見直す申告書4つと12月の戻り

このページには広告(アフィリエイトリンク)を含むことがあります。

令和8年分の年末調整で変わった点

令和8年分の年末調整は、基礎控除の引上げ・扶養に入れる収入の上限の引上げ・23歳未満の子がいる人の生命保険料控除が変わりました。改正は2026年12月1日に施行され、11月までの給料から引かれた税金は変わりません。そのぶん12月の年末調整でまとめて精算されます。

年収500万円の独身の人で計算すると、年税額は約2.8万円軽くなりました。ただ、申告書を去年と同じつもりで書くと、受けられる控除を取りこぼす場合があります。

書いている私は、売買ロジックを100以上検証してきたシステムエンジニアです。FP1級の資格は持っていますが、税理士ではないので、あなたの税額は判断できません。国税庁の「令和8年分 年末調整のしかた」の原文を開いて確かめた内容だけを書いています。

まず1分チェック:自分に関係ある?

  1. 家族に、アルバイトなどの収入がある人はいますか。年収123万円を少し超えて扶養から外していた人は、今年は入れられるかもしれません
  2. 19歳以上23歳未満の家族はいますか。収入しだいで、別の申告書が必要です
  3. 23歳未満の子がいて、生命保険料を年6万円より多く払っていますか。控除の上限が上がりました

令和8年分の年末調整で、何が変わった?

国税庁の「昨年と比べて変わった点」には、大きく2つの改正が書かれています。1つは基礎控除の引上げと、それに合わせた給与所得控除と扶養の要件の見直し。もう1つは、23歳未満の扶養親族がいる人の生命保険料控除です。

変わった所改正前令和8年分
基礎控除(合計所得489万円以下)68万〜95万円104万円
給与所得控除の最低額65万円74万円
扶養親族に入れる収入(給与だけ)123万円以下136万円以下
一般生命保険料控除(23歳未満の扶養親族あり)最高4万円最高6万円

国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」の「昨年と比べて変わった点」(2026年10月30日に確認)から作成。基礎控除は合計所得で5段階あり、年収別の額は基礎控除の年収別の早見表にまとめています

会社は11月まで、改正前の税額表で税金を引いています。ここが大事です。国税庁の資料も、12月の年末調整で改正後の基礎控除を使って1年分を計算し直し、差を精算すると書いています。

12月の戻りはいくら増える?年収別に計算してみた

では、精算でどれくらい変わるのか。仮の人で計算しました。答えは年収で大きく違います。前提は、独身・収入は給料だけ・社会保険料は年収の15%・ほかの控除なしです。

年収改正前の年税額令和8年分の年税額軽くなる額
300万円35,200円27,000円8,200円
500万円117,900円90,300円27,600円
800万円435,400円427,200円8,200円

筆者の計算。年税額は所得税と復興特別所得税(2.1%)の合計で、100円未満を切り捨て。給与所得は概算の式で求めたため、国税庁の表で計算すると数百円ずれることがあります

年収500万円の人の差が大きいのは、基礎控除が68万円から104万円へ36万円増え、さらに課税される所得が195万円を下回って税率が10%から5%に下がるからです。年収800万円の人は、基礎控除の増え方が4万円なので、差は小さくなります。

見直す申告書は4つ

税額は会社が計算します。でも、控除を受けるための申告書を書くのは従業員です。今年、去年の写しのままにしないほうがいいのは次の4つです。

  1. 扶養控除等申告書:家族の給料が年136万円以下なら扶養親族になります(去年までは123万円以下)。123万円を少し超えて外していた家族は、書き足せないか見てください
  2. 特定親族特別控除申告書:19歳以上23歳未満の家族で、給料が年136万円超197万円以下の人が対象です。控除は1人最高63万円で、扶養控除とは別の申告書です
  3. 配偶者控除等申告書:配偶者の給料が年136万円以下なら配偶者控除、136万円超207万円以下なら配偶者特別控除の対象です
  4. 保険料控除申告書:23歳未満の扶養親族がいる人は、新契約の一般生命保険料の控除が最高6万円になります。年12万円を超えて払っていれば上限に届きます

生命保険料控除の計算の段階は、国税庁の資料では次のとおりです。

年間の新生命保険料控除額(23歳未満の扶養親族あり)
3万円以下払った全額
3万円超6万円以下保険料×1/2+1.5万円
6万円超12万円以下保険料×1/4+3万円
12万円超一律6万円

国税庁「昨年と比べて変わった点」から作成。一般・介護医療・個人年金の3つを合わせた上限12万円は変わりません。住民税の扱いは生命保険料控除でいくら戻るかで書いています

3つの質問の1つ目:その数字の出典は?

年末調整の時期は、「今年は◯万円戻る」という話が職場や SNS で回ります。3つの質問の最初、「その数字の出典は?」を当ててみてください。基礎控除104万円は合計所得489万円以下の人の額で、年収が高い人には当てはまりません。年税額の差も、年収と家族の構成で大きく変わります。

損する場合:申告書の出し忘れは、年末調整では取り戻せない

家族の給料の上限が上がっても、申告書に書かなければ控除は付きません。国税庁の資料も、新たに要件を満たした家族の扶養控除を受けるには、扶養控除等申告書などを出す必要があるとしています。年末調整の締切を過ぎてから気づいたら、自分で確定申告をして直すことになります。

逆もあります。家族の収入が見込みより増えて136万円を超えたのに、扶養に入れたままにすると、あとで税金を追加で払うことになります。家族の12月分の給料まで入れた年額で確かめてください。

書き手の体験:迷った欄と、実際の戻り

これまでの年末調整で、私が迷ったのは配偶者の所得を書く欄と、扶養している人の収入を書く欄でした。国税庁の記入例を見ながら、会社の担当に確かめて埋めています。

戻りは、想像より少なめでした。戻ったのは12月の給与か、1月の給与でした。金額は家族の状況で変わるので、事前の試算は目安くらいに見ています。この記事の年収別の表も同じで、独身・給料だけという仮の人の計算です。あなたの戻りは、家族の状況で上下します。

いちばん助かったのは、国税庁の記入例です。迷った欄だけ会社の担当に聞くと、早く片づきます。ここに書いたのは私の場合で、勤務先や家族の状況が違えば、迷う欄も戻る時期も変わります。

私ならこうする

書き手のアイコン書き手

私なら、申告書を書く前に、家族それぞれの今年の給料を1月から12月まで足した額を出します。その額を136万円・197万円・207万円の線と比べて、どの申告書に書くかを決めます。年末調整そのものの流れは年末調整と確定申告の違いにまとめています。国民年金を自分で払った家族がいる人は、国民年金の控除証明書が届く時期も合わせて見てください。

この記事でわからないこと

次にやることは1つ。家族の今年の給料の合計が、136万円を超えるかどうかを確かめてください。

あなたの家族に、今年から扶養に入れられそうな人はいますか?

国税庁「令和8年分 年末調整のしかた(昨年と比べて変わった点)」「令和8年分 各種控除について(給与所得者用)」をもとに、制度の一般的な仕組みを説明したものです(2026年10月30日確認)。個別の税務の助言ではありません。あなたの場合は勤務先・税務署・税理士にご確認ください。

よくある質問

配偶者や扶養の欄で迷ったら、どうすればいいですか

書き手の場合は、国税庁の記入例を見ながら書き、迷った欄だけ会社の担当に聞いて埋めています。記入例がいちばん助かりました。家族の状況で当てはまる欄が変わるので、最終的には勤務先の担当か税務署に確かめてください。

令和8年分の年末調整で、基礎控除はいくらになりましたか

国税庁によると、合計所得金額489万円以下の人は104万円、489万円超655万円以下は67万円、655万円超2,350万円以下は62万円です。改正は2026年12月1日施行で、12月の年末調整で反映されます。

11月までの給料の税金は変わりますか

変わりません。国税庁の資料では、令和8年11月までの源泉徴収事務に変更はなく、12月の年末調整で改正後の基礎控除などを使って1年分を計算し直し、精算するとしています。

23歳未満の子がいると、生命保険料控除はいくらまで受けられますか

令和8・9年分は、新契約の一般生命保険料の控除が最高6万円です(改正前は4万円)。年12万円を超えて払っていれば6万円になります。3区分を合わせた上限12万円は変わりません。

次に読む