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新NISAの2つの枠の違いは、年120万円と240万円だけではありません。大きいのは買える商品と一生の上限です。つみたて投資枠は、それだけで1,800万円まで使えます。成長投資枠だけだと1,200万円で止まります。
「枠が大きいほうが上」だと私は思っていました。金融庁の資料を開いたら、逆の作りでした。
「投資信託だけ・超えない・載っている」の人は、つみたて投資枠だけで足ります。どれかが外れる人に、この先の違いが効いてきます。
金融庁の表を、違う所だけ抜き出しました。
| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
|---|---|---|
| 1年の上限 | 120万円 | 240万円 |
| 一生の上限 | 1,800万円 | 1,200万円 |
| 買える商品 | 金融庁の基準を満たした投資信託 | 上場株式・投資信託など |
| 買い方 | 積み立て | 一括でも積み立てでも |
税がかからない期間は、どちらも無期限。対象もどちらも18歳以上で、2つは同時に使えます。ここは同じでした。
買い方の行には補足が要ります。金融庁の資料には「成長投資枠でも、つみたて投資枠と同じように積立投資をすることも可能」と書いてあります。一括専用の枠ではありませんでした。
表でいちばん差が出るのは「買える商品」の行です。つみたて投資枠で買えるのは、金融庁に届け出があった371本だけ(2026年9月30日時点)。条件が法令で決まっています。
実際の水準はもっと低いです。指数に連動する型の信託報酬は、国内が平均0.27%、海外を含む型が平均0.34%でした(金融庁「つみたて投資枠対象商品の概要について」)。
では成長投資枠はどうか。金融庁の書き方は「外すもの」を並べる形です。上場廃止が決まった株や、その恐れがある株。運用の期間が20年未満の投資信託、毎月分配型、デリバティブ(値動きを大きくする仕組みなど)を使う一定の投資信託。これ以外は入ります。
手数料の上限は、成長投資枠の条件にありません。買うときに手数料がかかる投資信託も、信託報酬が高い投資信託も対象になりえます。
ここで毎月分配型が両方の枠から外れている点にも気づきました。分配金の中身が利益とは限らない話は毎月分配型の仕組みを確かめた記事に書いています。NISAの外で買う商品には今もあるので、制度の線の引き方を知っておくと読みやすくなります。
商品の次に効くのが、一生の上限です。金融庁のよくある質問に、こう書いてあります。つみたて投資枠だけで1,800万円を使いきることは可能。成長投資枠だけの利用も可能、ただし上限は1,200万円。
大きい枠のほうが、先に天井に当たる作りです。1年の枠をいっぱいまで使った場合に、何年で埋まるかを計算しました。
| 使い方 | 1年に入れる額 | 結果 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠だけ | 120万円 | 15年で1,800万円 |
| 成長投資枠だけ | 240万円 | 5年で1,200万円。そこで止まる |
| 成長のあと、つみたて | 240万円→120万円 | 10年で1,800万円 |
| 両方を同時に | 360万円 | 5年で1,800万円 |
成長投資枠だけで5年走った人は、6年目から株を買い足せません。残りの600万円は、つみたて投資枠の商品でしか埋まらない。株の配当を目当てに成長投資枠だけ使う人には、ここが天井になります。
反対側も計算しました。月3万円を積み立てる人は、1年で36万円。つみたて投資枠の3割です。1,800万円に届くのは50年後なので、上限を気にする場面がそもそも来ません。
このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。今回は2つ目、「自分が損する場合は書いてある?」です。
「成長投資枠を使わないともったいない」という言い方を見かけます。計算の表に当てると、これが当てはまるのは1年に120万円を超えて入れる人と、株やREITを買いたい人でした。それ以外の人には、枠を空けておいて困る理由が見つかりません。使わなくても一生の上限の1,800万円は減らず、税の扱いも同じです。
損する側で書かれにくいのは、次の3つです。
2つ目の「売ると翌年に戻る」は条件が細かいので、売ったら枠はいつ・いくら戻るかを仮の人で計算した記事に分けてあります。
私なら、まず年に入れる額を決めます。120万円以下で投資信託だけなら、つみたて投資枠しか使いません。金融庁が手数料の線を引いた371本の中から選べば、買うときの手数料を調べる手間が1つ減るからです。
投資信託を成長投資枠で買うなら、買う前に2つの数字を見ます。買うときの手数料と信託報酬です。つみたて投資枠の上限(国内0.5%・海外0.75%)を物差しにして、超えていたら理由を探します。年0.1%と1%の差が20年でいくらになるかは信託報酬の差を月3万円の積立で計算しました。小さく見えて、大きい差です。
株を買うつもりがあるなら、成長投資枠の1,200万円は株のために残します。投資信託で先に埋めると、あとで株を買う枠が足りなくなる。株を先にしておけば、投資信託はつみたて投資枠で買えます。
次にやることを1つ。NISA口座の画面で、今年の2つの枠の利用額を見てください。1年に入れる額と見比べれば、どちらの枠が要るかが決まります。
口座をまだ持っていない人は、枠より前に見る所があります。証券口座を開く前に確かめる3つと手順にまとめました。
あなたが1年に入れる額は、120万円を超えますか?
同じ年に両方使えます。1年の上限はつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円で、合計360万円です。ただし2つの枠を別々の金融機関で使うことはできません(金融庁 NISA特設ウェブサイト、2026年10月5日確認)。
使えません。成長投資枠だけを使う場合の上限は1,200万円です。残りの600万円はつみたて投資枠で使う分です。つみたて投資枠は、それだけで1,800万円を使いきれます(金融庁「よくある質問」)。
できます。金融庁の資料「NISAを利用する皆さまへ」に、成長投資枠でもつみたて投資枠と同じように積立投資ができると書いてあります。積み立ての最低額や頻度は金融機関ごとに違います。