防衛特別所得税はいつから?2027年1月の給与の手取りは変わるのか
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防衛特別所得税は、2027年(令和9年)1月以後に生じる所得から始まります。税額は所得税額の1%。ただし同じ時期に復興特別所得税が2.1%から1.1%へ下がるため、2つを足した率は2.1%のままです。国税庁のQ&Aは、源泉徴収の計算方法は変わらないと明記しています。
「新しい税が増えるなら、手取りが減るのでは」と心配して調べた人へ。給与の源泉徴収で見るかぎり、増えるのではなく、中身の振り分けが変わるだけです。
私の場合:2022年末に防衛増税のニュースを見て、最初は「手取りが減る」と感じました。国税庁と財務省のページで、復興分を減らして防衛分に回すので合計の2.1%は変わらないと確かめるまで、半日かかりました。
2.1%そのものに気づいたのは、社会人1年目に受け取った源泉徴収票(2022年分)の「源泉徴収税額」の欄です。所得税とは別に2.1%が乗っていると分かったのはFPの勉強で復興特別所得税を習ってからで、それまでは「所得税が2回引かれているのでは」と思っていました。
読み終えたあとには、2027年1月から自分の給与や配当で何が変わり、何が変わらないかを、国税庁の原文の言葉で説明できるようになります。
先に1分チェック
- 給与をもらっていますか。毎月の源泉徴収は、会社が年の税額表で行います。計算方法は変わりません
- 株の配当や利子から、税が引かれていますか。所得税15%などの率に2.1%分が上乗せされる形は、これまでと同じです
- 自分で確定申告をしますか。復興特別所得税と同じ仕組みで申告・納付します。合計の率は同じです
まず出典:率はこう変わる
このブログの3つの質問の1つ目、「その数字の出典は?」で確かめました。出どころは財務省と国税庁の2つです。
| 項目 | いま(〜令和8年) | 令和9年1月以後 |
|---|---|---|
| 防衛特別所得税 | なし | 所得税額の1% |
| 復興特別所得税 | 所得税額の2.1% | 所得税額の1.1% |
| 2つの合計 | 2.1% | 2.1% |
| 課税期間 | 復興:令和19年まで | 防衛:令和9年以後の当分の間/復興:令和29年まで |
国税庁のQ&Aには、「合計税率(2.1%)に変更はありませんので、改正前後で、源泉徴収税額の計算方法に変更は生じません」と書かれています。これが、手取りが変わらない根拠です。
数字にすると:所得税額が同じなら、合計は同じ
防衛特別所得税と復興特別所得税は、どちらも「所得税額」に率をかけて出します。所得税額が10万円・30万円・50万円の人で、古い仕組みと新しい仕組みを並べました(筆者の計算。端数は省いています)。
| 所得税額 | いま:復興2.1% | 令和9年:防衛1%+復興1.1% | 合計の差 |
|---|---|---|---|
| 10万円 | 2,100円 | 1,000円+1,100円=2,100円 | 0円 |
| 30万円 | 6,300円 | 3,000円+3,300円=6,300円 | 0円 |
| 50万円 | 10,500円 | 5,000円+5,500円=10,500円 | 0円 |
年末調整も同じです。国税庁Q&Aは、年末調整後の年税額を「年調所得税額 × 102.1%(100円未満切捨て)」で出すと説明し、令和8年分と令和9年分で求め方は変わらないとしています。たとえば年調所得税額が20万円なら、200,000円 × 102.1% = 204,200円です。
配当や上場株式の源泉徴収も、所得税率に102.1%をかけた合計税率で計算します。国税庁Q&Aの表では、所得税率15%の合計税率は15.315%です。住民税5%を足した配当の税率は、20.315%になります。
私が自分で突き合わせたとき:1円ずれた配当と、合わなかった年末調整
2.1%は、手元の書類でも確かめられます。私がつまずいた2つを書きます。
配当の1円のずれ。特定口座で配当4,000円を受け取ったとき、手取りは3,188円でした。20.315%で一括して計算すると3,187円で、1円ずれます。原因は端数でした。所得税15.315%は1円未満を切り捨てるので、先に所得税612円、住民税200円と分けて足すと、合計812円で手取り3,188円に合います。
年末調整の突き合わせ。源泉所得税100,000円に1.021を掛けて、102,100円になるかを、源泉徴収票と年末調整の明細で確かめました。最初は合いませんでした。基準所得税額と復興分を同じ欄に足して見ていたからです。分けて計算し直したら、一致しました。
配当は端数の切り捨て、年末調整は欄の足し方で、合計の率(2.1%)が変わったわけではありませんでした。2027年からは内訳に防衛特別所得税が加わるので、率ごとに分けて計算すると確かめやすいです。
では何が変わる? 目に見える変化
- 令和9年分の源泉徴収税額表が新しくなる。防衛と復興を含んだ表になります。国税庁は令和8年8月ごろにホームページへ掲載する予定と案内していました。私が2026年11月2日に確認した範囲では、税額表の数字までは読めていません
- 源泉徴収票の「源泉徴収税額」欄は、所得税・防衛特別所得税・復興特別所得税の合計額を書く決まりです。内訳は欄で分かれません
- 復興特別所得税の期間が10年延びる。課税期間は令和19年までから令和29年までに。毎年の率は下がっても、払う期間は長くなります
- 防衛特別所得税には終わりの年がない。大綱は「令和9年以後の当分の間」としています。いつまでかは、いまの文書からは読めません
会社が使う納付書も、手元のもの(「源泉所得税及び復興特別所得税」と印字されたもの)を補正せずに使ってよい、とQ&Aにあります。給与を受け取る側の作業は増えません。
ほかで調べ直したくなる3つの疑問
この記事を読んだあとに、別のページで確かめ直したくなりそうな疑問を3つ挙げます。
- 個人事業主は、同じ2.1%が事業の所得にもかかるのか。所得税を納める人にかかる上乗せなので、事業の所得にかかる所得税にも同じ形で乗ります。申告のしかたは、復興特別所得税と同じです
- 住民税は別なのか。この2.1%は所得税にかかる上乗せで、住民税には別の仕組みがあります。上の配当の例のように、住民税は5%を別に足します
- いつまで続くのか。私は以前「今の法律で2037年まで」と理解していました。2037年(令和19年)は復興特別所得税の現行の期限です。令和9年以後は、大綱で復興が令和29年まで延び、防衛は当分の間となるので、上の表の期間を見てください
個別のケースは、会社の給与担当、税務署、税理士に確認してください。
ここは確かめられていません
令和9年分の源泉徴収税額表の数字は、まだ見ていません。個人事業の確定申告での書き方や、住民税・社会保険料との関係の細部も、この記事では扱っていません。あなたの給与の手取りがぴったりいくらになるかは、会社の給与計算か税理士に確認してください。
私ならこうする:覚えておくこと3つ
- 始まりは2027年1月。防衛特別所得税は所得税額の1%
- 合計は2.1%のまま。復興特別所得税が2.1%から1.1%へ下がる分の振り替え
- 変わるのは表と書類の書き方。手取りが変わる話ではない
私なら、2027年1月の給与明細が届いたら、源泉徴収税額の欄を、前の年の同じ月と並べて見ます。合計の率が変わっていなければ、中身の振り分けが変わっただけです。年末調整の変更点は令和8年分の年末調整の変更点、配当の税率は配当にかかる税金の比べ方にまとめています。
お金を動かす前に、1つだけ確かめる。今回の1つは、手元の源泉徴収票の「源泉徴収税額」の欄です。
あなたの源泉徴収票の「源泉徴収税額」の欄を、内訳まで見たことがありますか?
よくある質問
防衛特別所得税はいつから始まりますか
令和9年(2027年)1月以後に生じる所得から始まります。税額は所得税額の1%です(財務省「令和8年度税制改正の大綱」、2026年11月2日確認)。課税期間は「令和9年以後の当分の間」とされています。
防衛特別所得税が始まると、給与の手取りは減りますか
国税庁のQ&Aでは、復興特別所得税が2.1%から1.1%に下がり、防衛特別所得税の1%と合わせた合計税率は2.1%のままで、源泉徴収税額の計算方法に変更は生じないとされています。個別の手取りは、会社の給与計算か税理士に確認してください。
配当の源泉徴収が計算と1円ずれるのはなぜですか
所得税15.315%は1円未満を切り捨てるためです。筆者の特定口座の配当4,000円では、所得税612円と住民税200円を分けて足すと812円で、手取り3,188円。20.315%で一括計算すると3,187円で、1円ずれました。
復興特別所得税はいつまで続きますか
現行は令和19年(2037年)までです。令和8年度税制改正の大綱では、率を1.1%に下げたうえで、課税期間を令和29年まで延ばすとされています(2026年11月2日確認)。
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