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株式公開 2026-09-30 ・ 更新 2026-09-30

配当の税金20.315%は減らせる?受け取り方4つで手取りを計算

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配当の税金を比べる

株の配当が10万円入ったのに、口座に届いたのは79,685円。差の20,315円が、配当にかかる20.315%の税金です。ただ、この率は決まりきった数字ではありませんでした。国税庁の原文を読むと、受け取り方は4通りあり、同じ10万円でも税は0円から2万円あまりまで動きます。仮の人で計算すると、課税所得150万円の人は確定申告(総合課税)で税が2,095円まで下がり、800万円の人は逆に158円増えました。得かどうかは、所得と、その年の売却損の有無で入れ替わります。

書いている私は、相場のロジックを100以上検証してきたシステムエンジニアです。税の専門家ではないので、この記事の数字は国税庁と金融庁の原文を開いて確かめたものと、前提を書いた自分の計算だけです。特定の銘柄や証券会社をすすめる記事ではありません。

先に1分チェック

  1. 配当を受け取っている株は、NISA口座ですか、それ以外の口座ですか。NISAなら、配当の受取方法も確かめます(下で説明します)
  2. 去年の「課税される所得金額」はいくらでしたか。年収とは別の数字です。源泉徴収票の控除を引いたあとの額で、確定申告書なら「課税される所得金額」の欄にあります
  3. 今年、NISA以外の口座で株を売って損が出ていますか。損があるかどうかで、答えが変わります

3つとも分からなくても読めます。表の中で、自分に近い行を探してください。

20.315%の中身と、受け取り方の4つ

まず20.315%の内訳です。所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%。足すと20.315%になります(金融庁「NISAを利用する皆さまへ」、国税庁 No.1331)。

上場株式の配当は、支払われるときにこの率で先に引かれます。国税庁 No.1330 は、大口株主などを除けば「配当等の金額にかかわらず、確定申告を要しません」としています。引かれて終わり。これが一番よくある受け取り方です。

そのうえで、ほかに3つの道があります。並べるとこうなります。

受け取り方税率配当控除株の売却損と差し引き
NISA口座で受け取る0%—できない
申告しない(引かれて終わり)20.315%なしできない(申告しないため)
確定申告で申告分離課税20.315%なしできる
確定申告で総合課税ほかの所得と合わせた税率ありできない

出典:国税庁 タックスアンサー No.1330・No.1331・No.1250・No.1474(いずれも令和8年4月1日現在法令等)、金融庁「NISAを利用する皆さまへ」(2024年6月)。2026年9月30日確認。大口株主などは除く

配当控除は、配当を受け取った人の税額から一定の割合を差し引く仕組みです(税額控除)。所得税では、課税総所得金額等が1,000万円以下なら、株の配当の10%を差し引けます。住民税にも同じ仕組みがあり、自治体の案内では1,000万円以下の部分で合わせて2.8%でした。

仮の人で比べる:配当10万円、手取りはいくら?

ここからは仮の人です。日本の会社の上場株式から、2026年に配当を10万円受け取ったとします。大口株主ではありません。総合課税の行は、配当を足しても税率の段階が変わらない3つの課税所得で計算しました。

受け取り方と条件配当10万円にかかる税手取り
NISA口座(株式数比例配分方式)0円100,000円
申告しない20,315円79,685円
申告分離課税・売却損なし20,315円79,685円
申告分離課税・同じ年に売却損10万円0円100,000円(損は使い切る)
総合課税・課税所得150万円(所得税5%)2,095円97,905円
総合課税・課税所得400万円(所得税20%)17,410円82,590円
総合課税・課税所得800万円(所得税23%)20,473円79,527円

筆者の計算。2026年分。総合課税で配当の分だけ増える税=所得税(税率×10万円−配当控除1万円)×1.021(復興特別所得税2.1%)+住民税(10%×10万円−2.8%×10万円=7,200円)。先に引かれた20,315円は申告で精算される前提。税率は国税庁 No.2260、住民税の配当控除は武蔵野市「配当控除」、住民税の所得割10%は東京都主税局の案内による

課税所得150万円の人を追ってみます。所得税は10万円×5%=5,000円増えますが、配当控除で1万円引けるので、差し引き5,000円のマイナス。ほかの所得にかかる税まで軽くなります。住民税は7,200円増えるので、合計は2,095円でした。引かれていた20,315円と比べて、18,220円少ない計算です。

800万円の人は逆です。所得税の率が23%になると、配当控除を引いても住民税と合わせて20,473円。申告しないほうが158円少なく済みます。400万円の人は、その中間で2,905円少なくなりました。

分かれ目は、所得税の率が20%か23%か。国税庁の速算表では、課税所得695万円のところです。

質問2で読む:「総合課税で配当控除が得」の、書いていない側

このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。2つ目は「自分が損する場合は書いてある?」です。

上の表だけ見ると、所得が低い人は総合課税にすれば得に見えます。ただ、申告すると配当が「所得」として数えられます。中野区の案内には、所得税で配当を申告すると住民税の合計所得金額に入り、扶養控除・配偶者控除・非課税の判定、各種保険料の算定などに影響が出る場合がある、と書かれていました。

しかも令和6年度からは、所得税と住民税で別々の課税方式を選べなくなりました。以前は所得税と住民税で別の方式を選べましたが、今は所得税で申告すれば住民税も同じ扱いです。表の2,095円は、税だけを数えた金額です。保険料や扶養が変わると、その差は消えることがあります。

申告分離課税の側にも、書かれにくい点があります。売却損と差し引くと、その年の配当の税は戻ります。けれど、差し引いた損は翌年以降に繰り越せなくなります。国税庁 No.1474 では、使いきれない損は翌年から3年間繰り越せます。今年の配当に使うか、来年の売却益に回すか。どちらにも使える損は、1回分です。

NISAの配当が非課税にならない受け取り方

NISA口座の株でも、受け取り方によっては配当に税がかかります。金融庁の資料では、NISA口座で買った株の配当を非課税にするには、受取方法を株式数比例配分方式(証券会社の口座で配当を受け取る方法)にする必要がある、と書かれています。

ゆうちょ銀行などで換金する配当金領収証方式や、銀行口座で受け取る方式を選んでいると、NISA口座の株でも配当は課税されます。ETFやREITの分配金も同じです。NISA口座を開いた直後に、受取方法を確かめる人は多くありません。

もう1つ。NISA口座で出た損は、ほかの口座の利益や配当と差し引けず、繰り越すこともできません(金融庁「NISAを利用する皆さまへ」)。値下がりした株を売ったときの影響は、新NISAで売ったら枠は復活するかの記事で計算しています。

この比べ方が当てはまらない人

私ならこうする

私なら、申告するかどうかを決める前に、2つの数字を紙に書きます。去年の「課税される所得金額」と、今年のNISA以外の口座の売却損益です。

課税所得が695万円以上なら、総合課税の表の行はもう見ません。売却損があるなら、今年の配当に使うのか、翌年以降に残すのかを先に決めます。所得が低くて総合課税の差が大きく出る場合は、扶養や保険料の担当窓口に「配当を申告したら変わるか」を聞いてから決めます。税の差が1万円台でも、保険料の差がそれを上回ることがあるからです。

NISAの株を持っているなら、受取方法の確認が先です。これは計算より簡単で、証券会社の画面で見られます。

この記事でわからないこと

次にやることを1つ挙げるなら、去年の確定申告書か源泉徴収票で、「課税される所得金額」が695万円より上か下かを見てください。総合課税の表を読むかどうかが、それで決まります。

確定申告をすると住民税の計算にもつながります。副業の所得がある人は、20万円の線が所得税だけの話である点を副業20万円以下の住民税で確かめておくと、申告の手間をまとめて考えられます。

あなたの配当は、いまどの受け取り方で、いくら引かれていますか?

国税庁・金融庁・自治体の公開資料をもとに、制度の一般的な仕組みを説明したものです(2026年9月30日確認)。特定の銘柄・金融機関をすすめる投資助言や、個別の税務の助言ではありません。計算例は仮の人の前提によるもので、実際の税額を示すものではありません。個別の税額は税務署または税理士にご確認ください。

よくある質問

配当の税金20.315%の内訳は何ですか

所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%です(金融庁「NISAを利用する皆さまへ」、国税庁 No.1331、2026年9月30日確認)。上場株式の配当は、大口株主などを除き、この率で引かれて確定申告は要りません。

配当は総合課税で申告したほうが得ですか

所得によります。配当10万円の仮の人で計算すると、課税所得150万円なら税は2,095円、400万円なら17,410円で、申告しない場合の20,315円より少なくなりました。800万円(所得税23%)では20,473円で逆に多くなります。申告すると保険料や扶養の判定が変わることがあるので、税だけで決められません(筆者の計算)。

NISAの配当が課税されることはありますか

あります。金融庁の資料では、NISA口座で買った株の配当を非課税にするには、受取方法を株式数比例配分方式にする必要があります。配当金領収証方式や銀行口座で受け取る方式では、NISA口座の株でも配当は課税されます。