
株の損失の繰越控除と確定申告
A証券で30万円の利益、B証券で50万円の損失。特定口座でも口座をまたぐと自動では相殺されず、確定申告で60,945円が戻る計算です。残った損失を3年繰り越す条件と、1年申告を…
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答えから書きます。株の売買手数料は、証券会社全体の収益の11.8%しかありません(日本証券業協会、2025年度)。残りの9割近くは、お金を貸したときの金利や、投資信託などの手数料から入っています。だから売買手数料を0円にしても、商売は続きます。
ただ、0円なのは「売買手数料」という名前のお金だけです。別の名前で払っているお金が4つありました。
3つとも「関係ない」なら、0円はほぼそのまま0円です。1つでも当てはまるなら、そこが払っている場所。
日本証券業協会は毎年、会員の証券会社の決算を足し合わせて公表しています。2025年度(2026年3月までの1年)は251社の合計でした。
| 収益の種類 | 金額 | 割合 |
|---|---|---|
| 金融収益(金利など) | 2兆5,550億円 | 37.2% |
| その他の受入手数料 | 2兆1,626億円 | 31.4% |
| 委託手数料(売買の手数料) | 8,113億円 | 11.8% |
| トレーディング損益(自社の売買) | 7,974億円 | 11.6% |
| 募集・引受けの手数料ほか | 5,501億円 | 8.0% |
| 合計(営業収益) | 6兆8,766億円 | 100% |
お客が売買のたびに払う委託手数料は8,113億円で、全体の11.8%です。1割ちょっと。いちばん大きいのは金融収益で、37.2%ありました。
金融収益には注意が要ります。証券会社も、貸すお金をどこかから借りています。その費用(金融費用)が1兆8,723億円あって、引くと残りは6,827億円。私の引き算です。それでも委託手数料とあまり変わらない大きさが残ります。
証券会社は、売買の手数料とは別の柱をいくつも持っています。0円にできるのは、そのためです。
このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。今回は3つ目、「勧める人は何で収入を得ている?」です。上の表を、お客の財布の側から読み直します。
金額の感じをつかむために、仮の数字で計算しました。年率や幅は計算のために私が置いたもので、どこかの会社の条件ではありません。自分の会社の数字は、手数料や金利の表で確かめるものです。
| 払う場所 | 仮の条件 | 払う額 |
|---|---|---|
| 信用取引の金利 | 100万円を年2.8%で30日借りる | 2,301円 |
| 円とドルの両替 | 100万円分、1ドルにつき片道25銭 | 往復3,333円 |
| 投資信託の信託報酬 | 100万円を年0.5%で1年持つ | 5,000円 |
| 約定する値段の差 | 100株が1円不利な値段で成立 | 100円 |
日本取引所グループの説明では、信用取引で買う人は借りたお金の金利を、売る人は借りた株の貸株料を、証券会社に払います。手持ちの約3倍まで売買できる仕組みです。
売買手数料が0円でも、借りている間はこの金利が毎日かかっていて、表のいちばん上にあった金融収益の中身の1つになっています。
米国株を買うには、円をドルに替えます。この両替にいくらかかるかは、会社ごとに違います。手数料という名前で書いてあることもあれば、両替の値段の中に入っていることもあります。株の売買手数料の表とは別の場所に書いてあるので、見落としやすいところです。
信託報酬は、投資信託を持っている間ずっと引かれる手数料です。資産運用業協会の説明に、行き先が書いてあります。運用会社・販売会社・信託銀行の3者で分ける、と。販売会社は、あなたが買った証券会社や銀行のことです。
売買が0回の年でも、持っているだけで販売会社にお金が入ります。年0.1%と1%で20年後にいくら違うかは、信託報酬の差を月3万円の積立で計算した記事に書きました。
4つ目は、調べていていちばん知らなかった話です。
株の注文は、東京証券取引所だけで成立するわけではありません。私設の取引システム(PTS)や、証券会社の社内で注文をつけ合わせる仕組み(ダークプール)もあって、複数の場所からいちばん良い値段を探して注文を出すシステムをSORと呼びます。
良い値段を探してくれるなら、お客には得な話です。ただ金融庁の審議会の資料は、値段が同じなら自社や系列の取引システムに先に回すという決め方ができるので、ここに会社とお客の利益のぶつかりがあると書いています。
そこで2023年1月から決まりが変わりました。証券会社は、どの市場の値段を比べるか、どの順で選ぶか、値段が同じときはどうするかを「最良執行方針」に書かなければなりません。自社や系列のシステムを優先するなら、資本関係も含めて理由を書く。金融庁の監督指針にそうあります。
この方針は各社のサイトで公開されていて、読めば自分の注文がどこへ回るかが分かります。知りませんでした。
手数料が0円になって、損をするのはどんなときか。仕組みを並べると、3つ見えてきます。
逆に、現物の日本株を買ってそのまま持つだけの人は、0円の恩恵をほぼそのまま受けます。払う場所がないからです。
私なら、口座のある証券会社の「最良執行方針」をまず1回読みます。数ページです。SORを使うか、どこと値段を比べるか、社内の仕組みに回すかが書いてあります。回したくなければ外す方法も説明する決まりです。
次に、自分が1年で払っているものを足します。信用取引の金利、両替の費用、投資信託の信託報酬の3つです。売買手数料0円の横にこの合計を書いて、私はそちらを、その会社に払っている値段だと考えます。0円は見ません。
ここまで書いて、このブログ自身にも質問3を当てておきます。このブログは証券口座を開く前に確かめることのページに、証券会社1社の広告を置いています。そこから口座が開かれると、私に紹介料が入ります。この記事には広告を置いていません。
次にやることを1つ。口座のある証券会社の名前と「最良執行方針」で検索して、SORと社内取引システムの行を探してみてください。
「手数料0円」と聞いたとき、その会社が何で稼いでいるかを考えたことはありますか?
売買手数料は収益の一部だからです。日本証券業協会の2025年度の集計(会員251社)では、営業収益6兆8,766億円のうち委託手数料は8,113億円で、筆者の計算では11.8%でした。ほかに金融収益や投資信託などの手数料があります。
使い方によります。信用取引なら金利や貸株料、外国株なら円と外貨の両替の費用、投資信託なら信託報酬があります。信託報酬は運用会社・販売会社・信託銀行の3者で分けられます。現物の日本株を買って持つだけなら、これらはかかりません。
証券会社が、お客の注文をどの市場でどう成立させるかを定めて公表する方針です。2023年1月からは、複数の市場の値段を比べるシステム(SOR)を使う場合に、比べる市場や選ぶ順序などを書く決まりになりました。各社のサイトで読めます。