
ふるさと納税の上限計算はなぜずれる?超えたら損はいくらか
ふるさと納税の上限は、住民税の所得割の2割で決まります。総務省の目安は給与収入500万円・独身で6.1万円。iDeCoや医療費控除で上限が下がる理由と、超えたときの負担を総務省…
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「うちは相続税が0円になるらしいから、何もしなくていい」。この思い込みで困るのは、特例のおかげで0円になる家族です。配偶者の税額軽減も小規模宅地等の特例も、申告書に書いて初めて使えます。仮の家族で計算すると、特例を使わなければ相続税は480万円。申告して特例を使うと0円です。差を分けるのは、10か月以内に申告書を出すかどうかでした。
まず、申告が要らない人から。国税庁の説明(No.4205)には、財産の合計が基礎控除の範囲内なら「申告も納税も必要ありません」とあります。基礎控除(税がかからない枠)は、3,000万円+600万円×法定相続人の数です。妻と子2人なら3人なので、4,800万円。
基礎控除の数え方は相続税の基礎控除の計算で詳しく確かめました。ここでは1つだけ足します。
この「合計」は、小規模宅地等の特例を使う前の額で比べます。No.4205の注に、判定に使うのは小規模宅地等の特例などを適用しない場合の合計額だと書いてあります。特例で下がった後の額が基礎控除より小さくても、それだけでは「申告不要」になりません。
0円なのに申告が要る理由は、特例の条文の書き方にあります。
どちらも「申告書に書いた場合に限り」です。書かなければ、特例がない計算に戻ります。
申告の期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です(No.4205)。1月6日に亡くなったなら、その年の11月6日。提出先は相続人ではなく、亡くなった人の住所地の税務署です。
数字で追います。仮の家族は、亡くなった夫・妻・子2人です。
配偶者が住まいの土地を相続した場合は、住み続けるなどの「取得者ごとの要件」がありません(No.4124)。ここは子が相続する場合と違います。
| 手順 | 計算 |
|---|---|
| 1. 申告が要るか | 9,000万円 > 基礎控除4,800万円 → 申告が要る |
| 2. 小規模宅地等の特例 | 土地5,000万円の80%=4,000万円を減らす → 土地は1,000万円 |
| 3. 特例後の合計 | 1,000万円+1,000万円+3,000万円=5,000万円 |
| 4. 基礎控除を引く | 5,000万円−4,800万円=200万円 |
| 5. 法定相続分で分けて速算表 | 妻100万円×10%=10万円、子50万円×10%=5万円×2人 |
| 6. 相続税の総額 | 20万円 |
| 7. 妻がすべて相続した場合 | 20万円は全部妻の分。配偶者の税額軽減で0円 |
もし子2人が預金を1,000万円ずつ受け取ると、話が変わります。相続税の総額20万円を受け取った割合で分けるので、子は4万円ずつ。配偶者の軽減は子の分には効きません。合計8万円です。
このとき小規模宅地等の特例を使わず、配偶者の軽減だけ使うと、子は533,300円ずつになります(総額480万円×9分の1、100円未満切り捨て)。自宅の特例は、妻の税だけでなく子の税も下げていました。
ここが、この記事でいちばん損が出やすい場面です。
国税庁No.4208によると、遺産の分け方(遺産分割)が決まっていなくても、申告は10か月の期限までにします。そのときは法定相続分で受け取ったものとして計算し、小規模宅地等の特例も配偶者の税額軽減も使えません。
仮の家族なら、特例なしの480万円を法定相続分で分けて、妻240万円、子120万円ずつ。0円のつもりだった家族が、期限までに480万円を用意する計算です。
ただし、取り戻す道があります。申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を付けておき、期限から3年以内に分割がまとまれば、特例の対象になります(No.4158、租税特別措置法69条の4第4項)。分割がまとまったら、そのことを知った日の翌日から4か月以内に更正の請求(払いすぎた税を返してもらう手続き)をします。
見込書を付け忘れると、この道が細くなります。
このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。2つ目は「自分が損する場合は書いてある?」です。
「配偶者がいれば相続税はほぼかからない」という説明を見かけます。仮の家族のパターンAでは、たしかに0円でした。ただ、その0円には条件が3つ付いています。
期限を過ぎても、期限後申告書に書けば特例は使えると条文にはあります。ただ、納める税が出る場合は加算税や延滞税がかかることがあります(No.4205)。無申告加算税(期限までに申告しなかったときの上乗せ)は、所得税の説明(No.2024)で見ると、調査の通知の前に自分から申告すれば5%、調査の後だと15〜30%です。隠したり偽ったりした財産は、配偶者の軽減の対象になりません(No.4158)。
私なら、先に「特例を使う前の合計が基礎控除を超えるか」を確かめます。超えるなら、0円の見込みでも申告する前提で10か月の予定を組みます。
次に確かめるのは、分割がまとまりそうかです。まとまりそうにないなら、私なら「申告期限後3年以内の分割見込書」を付けることを税理士か税務署に先に確かめます。480万円をいったん払うかどうかは、この1枚に関わります。
亡くなった人が会社員だったなら、死亡退職金も合計に入ります。退職金の税金の計算もあわせて見ると、何が合計に入るかの見当がつきます。
次にやることを1つ挙げるなら、財産を土地・建物・預金に分けて、特例を使う前の合計を出してみてください。基礎控除を超えるかどうかが分かれば、今日の分は終わりです。
あなたの家族の場合、特例を使う前の財産の合計は、基礎控除を超えそうですか?
財産の合計(小規模宅地等の特例を使う前の額)が基礎控除以下なら申告も納税も不要です。基礎控除を超えていて、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例で0円になる場合は、申告書に特例を書いて提出しないと特例は使えません(相続税法19条の2、租税特別措置法69条の4)。
亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。1月6日に亡くなった場合は11月6日で、土日祝日に当たるときは翌日です。提出先は亡くなった人の住所地を所轄する税務署です(国税庁No.4205)。
法定相続分で受け取ったものとして期限内に申告し、小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減は使えません。申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を付け、3年以内に分割がまとまれば、分割を知った日の翌日から4か月以内の更正の請求で特例の対象にできます(国税庁No.4208、No.4158)。