医療費控除の申告で領収書は出す?明細書と5年保管の手順
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医療費控除の申告で、領収書そのものを申告書に付ける必要はありません。国税庁の原文では、付けるのは「医療費控除の明細書」。領収書は、確定申告期限などから5年間、手元に置いておく書類です。
捨てると困る場面があります。税務署から領収書の提示や提出を求められることがあるからです。
先に1分チェック
- 今年の医療費の領収書は、まとめて取ってありますか。5年間の保管が前提です
- 健康保険組合などから「医療費通知」は届いていますか。あれば、明細書の記入が楽になります
- 医療費の合計は10万円を超えていますか。超えた分が控除の対象です(総所得金額等が200万円未満なら、その5%)
申告書に付けるのは、領収書ではなく明細書
国税庁のタックスアンサー No.1120(令和8年4月1日現在法令等)は、手続きをこう書いています。医療費の領収書をもとに「医療費控除の明細書」を作り、確定申告書に添付する。
つまり、領収書は集計の材料です。書類の流れは、領収書 → 明細書 → 申告書に添付、の一本線になります。全体の申告の流れは副業の確定申告のやり方で書いたものと同じ土台です。
医療費通知があると、記入が簡略になる
同じ原文に、もう1つ楽になる道があります。健康保険組合などの医療保険者が出す医療費通知を添付すると、明細書の記入を簡略化できる。通知に必要な記載は、受診者の氏名、受診年月、医療機関名、支払った医療費の額、保険者名です。
さらに、医療費通知を添付した分の領収書は、あとで提示や提出を求められる対象から外れます。私なら、通知が届く人は、まずこちらを使えるかを見ます。
通知に載らない出費、たとえば薬局で買った市販薬などは、領収書から自分で書く側になります。何が対象になるかの境目は、医療費控除とセルフメディケーション税制の比較に書きました。
領収書は5年間とっておく
原文は、確定申告期限などから5年間は、明細書の内容を確認するため、領収書の提示や提出を求められることがあると書いています。ここが質問2、「自分が損する場合は書いてあるか」に当たる所です。
捨ててしまうと、後から求められたときに示せません。示せなかったときの具体的な扱いは、今日の原文には書かれていません。だから私は、5年間は箱にしまう、と決めて運用します。
仮の人で、控除額まで通しで確かめる
式は、原文のとおりです。(実際に支払った医療費の合計額−保険金などの補てん額)−10万円。上限は200万円。総所得金額等が200万円未満の人は、10万円の代わりに総所得金額等の5%を引きます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 支払った医療費の合計 | 25万円 |
| 保険金などの補てん | 0円 |
| 引く額(総所得金額等が200万円以上) | 10万円 |
| 医療費控除の額 | 15万円 |
領収書に書いてある内容と、対象になるもの・ならないもの
国税庁 No.1122(令和8年4月1日現在法令等、2026年10月31日に読み直し)には、医療費に入るものと入らないものが書かれています。領収書を仕分けるときの基準です。
| 入る(ページの記載) | 入らない(ページの記載) |
|---|---|
| 医師・歯科医師の診療・治療の対価 | 健康診断の費用(原則) |
| 治療に必要な医薬品(風邪薬など) | ビタミン剤など予防・健康増進の医薬品 |
| 通院のための交通費(通常必要なもの) | タクシー代(電車・バスが使えない場合を除く) |
| 入院時の部屋代・食事代 | 自家用車で通院するときのガソリン代・駐車場代 |
| 義歯、眼鏡など診療・治療に直接必要な器具 | 家族や親類に頼んで払った付添料、疲れを癒す施術 |
領収書の整理は、この表の左右で2つの封筒に分けると、年末の集計が早くなります。右の封筒は、控除の計算には入れません。
差し引く金額(補てん)を領収書と一緒に集める
No.1120 によると、控除額は「支払った医療費の合計−保険金などで補てんされる金額−10万円」です。補てんされる金額の例として、生命保険の入院給付金、健康保険の高額療養費、家族療養費、出産育児一時金が挙がっています。補てんは、その給付の目的になった医療費を限度に差し引きます。引ききれない分を、他の医療費から引くことはありません。
領収書とは別に、給付の通知(高額療養費の支給決定通知など)も同じ封筒に入れておくと、明細書を書くときに探さずに済みます。
この記事の書き手と出典
書き手はシステムエンジニアで、FP1級を持っています(税理士ではありません)。個別の税額計算や、申告の代行はしません。
- 国税庁 タックスアンサー No.1120(医療費控除。手続き・領収書の5年・医療費通知・補てんの例):2026年10月31日に読み直しました
- 国税庁 No.1122(対象になるもの・ならないもの):2026年10月31日に読みました
更新の履歴:2026年10月31日、領収書の仕分け表(対象と対象外)と、補てんを集める手順を追加しました。
損する場合・向かない人
- 領収書を毎年捨てている人。5年間は求められる可能性があります
- 医療費が10万円(または所得の5%)に届かない人。控除額が出ません
- 保険金などで補てんされた分を引き忘れる人。式では先に引きます
私ならこうする
私なら、年の初めに封筒を1つ用意して、医療費の領収書を毎月そこに入れます。年末に集計するより、はるかに楽だからです。
合計が10万円を超えそうな年だけ、通知の有無を確かめて、明細書に進みます。超えない年は、無理に申告しません。
この記事でわからないこと
- e-Tax やマイナポータルの画面での具体的な操作。国税庁の該当ページを今日は開けず、書いていません
- 申告ができる期間の細かい日付。今日の原文には記載がありませんでした
- あなたの総所得金額等と、戻る税額
- どの病院・薬が対象になるかの個別の判断
お金を動かす前に、1つだけ確かめる。今回の1つは、領収書を捨てる前に「5年」を思い出すことです。詳しい考え方は3つの質問にまとめています。
あなたの家では、医療費の領収書をどこにしまっていますか?
よくある質問
医療費控除の申告で領収書は提出しますか
申告書に添付するのは「医療費控除の明細書」です。領収書は、確定申告期限などから5年間、税務署から提示や提出を求められることがあります(国税庁 No.1120)。
医療費通知があれば領収書は要りませんか
医療費通知を添付すると明細書の記入が簡略化でき、その分の領収書は提示・提出を求められる対象から外れます。通知に載らない出費は領収書から記入します。
医療費控除の式を教えてください
(実際に支払った医療費の合計額−保険金などの補てん額)−10万円で、上限は200万円です。総所得金額等が200万円未満の人は、10万円の代わりに総所得金額等の5%を引きます。
医療費控除で、タクシー代や健康診断の費用は入りますか
国税庁 No.1122(2026年10月31日確認)では、タクシー代は電車・バスが使えない場合を除き、健康診断の費用は原則、対象外です。通院のための交通費(通常必要なもの)は入ります。
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