投資・税金・年金・家計を、だまされずに確かめるブログ

税金・相続公開 2026-10-08 ・ 更新 2026-10-24

医療費控除でいくら戻る?年収別に2026年分の税率で計算した

このページには広告(アフィリエイトリンク)を含むことがあります。

医療費控除でいくら戻る

1年の医療費が30万円だった会社員。医療費控除で減る税金は、年収300万〜500万円で約3万円、600万円で約4万円、700万〜800万円で約6万円でした。独身の仮の人で、2026年分の決まりを当てた計算です。

「年収500万円なら約4万円」という早見表を見たことがあるかもしれません。2025年分まではそうでした。2026年分は基礎控除が上がり、同じ年収500万円でも所得税の税率が10%から5%に下がります。税金が減ったぶん、医療費控除で戻る額も小さくなりました。

書いている私は、相場のロジックを100以上検証してきたシステムエンジニアです。税の専門家ではないので、国税庁と総務省の原文を開いて確かめた数字と、前提を全部書いた自分の計算だけを載せています。

先に1分チェック:そもそも戻る人かどうか

  1. 保険金や高額療養費で戻った分を引いても、医療費は10万円を超えますか。超えた分だけが控除になります
  2. 源泉徴収票の「源泉徴収税額」は0円ではありませんか。所得税を払っていない人は、所得税の戻りがありません
  3. 払ったのは、今年の1月1日から12月31日の間ですか。数えるのは、その年に実際に払った分です

1つ目の10万円は、給与だけで年収が約297万円より低い人なら、もう少し下がります。給与所得控除を引いた所得が200万円未満だと、線が「所得の5%」になるからです(国税庁 No.1120)。

式は2段:控除額を出して、税率を掛ける

医療費控除は、払った医療費が戻る制度ではありません。ここは期待が外れやすい所なので、先に式を書きます。

医療費30万円なら、控除額は20万円。戻るのは20万円そのものではなく、そこに税率を掛けた額です。住民税は誰でも10%(総務省)。人によって変わるのは所得税の税率だけで、5%・10%・20%のどれに当たるかで答えが決まります。

お金の出方も2つに分かれます。所得税は、申告のあと口座に振り込まれます。住民税は振り込まれません。翌年度に給料から引かれる額が、そのぶん小さくなります。「3万円戻る」のうち、通帳に入るのは約1万円です。

年収別の計算:300万〜500万円は同じ額になった

税率は年収そのものでは決まりません。年収から給与所得控除・社会保険料・基礎控除などを引いた「課税される所得」で決まります。仮の人を置いて、2026年分(令和8年分)の決まりで出しました。

年収所得税の税率医療費15万円医療費30万円医療費50万円
300万円5%約7,600円約30,200円約60,400円
400万円5%約7,600円約30,200円約60,400円
500万円5%約7,600円約30,200円約60,400円
600万円10%約10,100円約40,400円約80,800円
700万円20%約15,200円約58,800円約99,200円
800万円20%約15,200円約60,800円約121,700円

筆者の計算。会社員・独身・扶養なし、社会保険料は年収の15%と仮に置き、所得控除は基礎控除と社会保険料控除だけ。保険金などの補てんはなし。所得税(復興特別所得税込み)と住民税10%の合計で、100円未満は四捨五入。給与所得控除は国税庁 No.1410、基礎控除は No.1199、税率は No.2260(いずれも令和8年4月1日現在法令等)。2026年10月8日確認

年収300万円と500万円が同じ額。計算した私も二度見しました。どちらも課税される所得が195万円に届かず、税率5%の帯に入るからです。年収500万円の仮の人で、課税される所得は177万円でした。

年収700万円の30万円の欄だけ、800万円より少し低くなっています。控除を引く途中で、税率20%の帯から10%の帯へまたぐためです。帯の境目に近い人は、きれいな掛け算になりません。

内訳も見ておきます。年収500万円・医療費30万円の約30,200円は、所得税が約10,200円、住民税が20,000円。3分の2は住民税の側です。

質問1で読む:「年収500万円なら4万円」の出典はいつの年?

このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。今回は1つ目、「その数字の出典は?」です。

同じ仮の人を2025年分(令和7年分)の決まりで計算すると、年収500万円は税率10%で、医療費30万円なら約39,400円でした。2026年分は約30,200円。差は約9,200円です。

理由は基礎控除です。国税庁 No.1199 の表では、合計所得金額が336万円超489万円以下の人の基礎控除が、2025年分の68万円から2026年分・2027年分は104万円に上がっています。引ける額が36万円増えたので、課税される所得が195万円の線を下回りました。ほかの年収でいくら増えたかは、2026年分の基礎控除の年収別の表にまとめています。

損をしたわけではありません。もともと払う所得税が減っていて、そのぶん「戻る余地」も小さくなっただけです。ただ、古い早見表を信じて4万円を当てにしていると、振り込みを見て首をかしげることになります。

早見表を見たら、私は2か所を確かめます。何年分の決まりで作った表か。そして、独身か、扶養がいる前提か。この2つが書いていない表の数字は、目安としても使いません。

損する場合:思ったより戻らないのはこんなとき

逆に、同じ医療費でも戻りが大きいのは税率の高い人です。表のとおり、年収800万円の人は500万円の人の約2倍でした。共働きの家では、医療費を払った本人が申告する決まりなので、誰が払ったかで結果が変わります。ここは家ごとに事情が違うので、税務署に聞く所です。

私ならこうする

書き手のアイコン書き手

私なら、まず源泉徴収票を出して「課税される所得」を自分で出します。給与所得控除後の金額から、所得控除の額の合計額を引くだけ。195万円と330万円のどちら側にいるかで、税率がわかります。

次に、領収書を足して10万円を引き、税率と10%を掛けます。ここまで5分。出てきた額が数千円でも、私は申告します。申告は翌年から5年間できる(国税庁 No.2030)ので、急ぎはしません。

医療費控除の申告は、会社員にとっては初めての確定申告になりやすい手続きです。全体の流れは、副業の例で書いた会社員の確定申告の5つの手順とほぼ同じで、控除の明細書が1枚加わります。

申告の段取りで迷いやすいのは、領収書を出すのか、いつまで残すのかです。答えは明細書の添付と5年保管で、医療費控除の申告の手順に原文つきでまとめました。

この記事でわからないこと

お金を動かす前に、1つだけ確かめる。今回の1つは、去年の源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」と「所得控除の額の合計額」です。引き算をすれば、自分の税率の帯がわかります。

あなたの課税される所得は、195万円より上でしたか、下でしたか?

国税庁タックスアンサー No.1120・1199・1410・2030・2260(令和8年4月1日現在法令等)、総務省「個人住民税」、東京都主税局「個人住民税」を2026年10月8日に確認し、仮の人で計算したものです。制度と計算の一般的な説明で、個別の税額計算や節税の助言ではありません。

よくある質問

医療費控除でいくら戻りますか

戻るのは「(医療費−補てんされた額−10万円)×税率」です。会社員・独身の仮の人を2026年分の決まりで計算すると、医療費30万円のとき、年収300万〜500万円で約30,200円、600万円で約40,400円、800万円で約60,800円でした。所得税と住民税の合計です(筆者の計算、2026年10月8日)。

年収500万円だと医療費控除でいくら戻りますか

独身・扶養なし・社会保険料を年収の15%と置いた仮の人では、2026年分は所得税の税率が5%で、医療費30万円なら約30,200円(所得税約10,200円+住民税20,000円)です。2025年分の決まりでは税率10%で約39,400円でした。基礎控除が68万円から104万円に上がったためです。

医療費控除の還付金は全額が口座に振り込まれますか

振り込まれるのは所得税の分だけです。住民税の分は、翌年度に納める住民税が小さくなる形で反映されます。年収500万円・医療費30万円の仮の人なら、振り込みは約10,200円、住民税の減りが20,000円です。

次に読む