
ワンルームマンション投資の節税は嘘?税が15万円戻っても手元は減る仕組み
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日本銀行は2026年9月18日、政策金利を「1.0%程度」から「1.25%程度」に上げると決めました。9月24日からです。では変動金利の住宅ローンは、明日から上がるのか。上がりません。日銀の金利が家計の返済に届くまでには、関所が3つあります。過去の利上げでは、1つ目の関所を越えるだけで1〜2か月かかっていました。そのうえで「今のうちに固定へ借り換えるか」を数字にすると、答えは「変動がいつ上がるか」で大きく入れ替わります。
金利が1%上がると毎月の返済がいくら増えるかは、3,500万円・35年で計算した記事で出しました。今回はその手前、「上がるとしたら、いつ、どの順で届くのか」と、その先にある「固定へ移るか」の損得を見ます。
日銀が動かしたのは、銀行どうしが1晩だけお金を貸し借りするときの金利(無担保コール翌日物)です。住宅ローンの金利そのものではありません。そこから家計の返済まで、順に見ていきます。
関所2と3の間隔や基準にする日は、銀行・商品ごとに違います。公的な資料で確かめられたのは「年2回」「5年ごと」が標準的だという所までで、何月何日が基準かは契約書を見るしかありません。
関所1がどのくらいの速さで動くのかは、日銀の統計で確かめられます。「短期プライムレート(主要行)」の最も多い値(最頻値)と、日銀の政策金利の変更日を並べました。
| 政策金利(適用日) | 短期プライムレートの最頻値(変更日) |
|---|---|
| 0.25%程度(2024年8月1日) | 1.625%(2024年9月2日) |
| 0.5%程度(2025年1月27日) | 1.875%(2025年3月3日) |
| 0.75%程度(2025年12月22日) | 2.125%(2026年2月2日) |
| 1.0%程度(2026年6月17日) | 2.375%(2026年8月3日) |
| 1.25%程度(2026年9月24日) | まだ統計に出ていない |
4回とも、政策金利が0.25%上がったあと、短期プライムレートの最頻値も0.25%上がっています。同じ幅です。遅れはおよそ1〜2か月。今回の利上げの分は、9月11日時点の統計にはまだ入っていません。
ただしこれは過去の動き方で、今回も同じになるという約束ではありません。統計の注記にも、個別の銀行の金利は各行が決めるとあります。
関所1を越えても、返済額が変わるのはさらに先です。適用金利は年2回の見直しを待ち、返済額は5年ごとの見直しを待つことが多い。つまり「利上げのニュースの翌月に返済が増える」とは限らず、そのかわり、増えていない間も利息は増えています。この遅れの裏側は金利1%上昇の記事で未払利息として計算しました。
関所があるとわかると、次に浮かぶのは「上がる前に固定へ移ったほうがいいのか」という問いだと思います。仮の人で計算します。
残高3,000万円、残り25年(300回)、元利均等返済(毎月の返済額が一定になる返し方)、ボーナス返済なし。今の変動金利の適用金利を年1.0%と仮定します。移る先の固定金利は年3.46%と置きました。住宅金融支援機構が公表している2026年9月のフラット35(全期間固定のローン)の金利は、借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下で年3.460%〜5.690%。3.46%はその範囲の下の端で、最も多い金利です。
| 条件 | 毎月の返済額 | 25年の総返済額 |
|---|---|---|
| 変動1.0%がずっと続いた場合 | 113,061円 | 約3,392万円 |
| 固定3.46%へ借り換え | 149,544円(+36,483円) | 約4,486万円(+約1,094万円) |
| 損益分岐:変動が1年後に上がるなら | 年3.66%以上で固定のほうが少なくなる(諸費用50万円なら3.77%) | |
| 損益分岐:5年後に上がるなら | 年4.73%以上(諸費用50万円なら4.89%) | |
| 損益分岐:10年後に上がるなら | 年7.38%以上(諸費用50万円なら7.64%) | |
25年ずっと同じ金利なら、分岐はそのまま3.46%です。当たり前の結果ですね。ところが今の変動は1.0%なので、低い金利で払える期間が長いほど、並ぶために必要な金利は高くなります。1年後なら3.66%、5年後なら4.73%、10年後なら7.38%。上がる時期が遅いだけで、分岐はここまで離れます。倍以上です。
借り換えの諸費用(事務手数料・登記の費用など)を仮に50万円入れると、分岐はどれも0.1〜0.3%ほど上に動きます。費用の分だけ、固定のほうが元を取るのに大きな金利上昇が要るからです。
そして私は、金利が何年後に何%になるかを予想できません。なのでこの表から「固定にすべき」とも「変動のままでいい」とも言いません。言えるのは、損得の境目は「どこまで上がるか」と「いつ上がるか」の2つで決まる、ということだけです。
このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。2つ目は「自分が損する場合は書いてある?」。借り換えの話はとくに、損する側が片方しか語られないことが多いので、両方並べます。
「固定なら安心」は、25年間149,544円のまま返済額が読めるという意味では正しい。「変動のほうが得」も、1.0%が続く限りは毎月36,483円少ないので正しい。どちらも、損する側を書いていないだけです。
私なら、借り換えを考える前に返済予定表で2つの日付を確かめます。適用金利が次に見直される日と、返済額が次に見直される日です。今回の利上げが自分の返済に最初に届くのがいつか、ここで決まります。
次に、自分の残高・残り年数・今の適用金利で、上の表の損益分岐を出し直します。仮の人の3.66%や4.73%は、あなたの数字ではありません。固定の金利は、借り換え先が実際に出す金利と諸費用の見積もりを入れて比べます。
そのうえで私が見るのは、損益分岐より「変動のまま上がったとき、毎月いくらまでなら払えるか」です。家を貸している人なら、不動産の利回りを実質で計算した記事と同じやり方で、返済の増加分を収支に入れておきます。上がったときのために手元の現金を厚くするなら、預金保険で守られる範囲もあわせて見ておくと置き場所を決めやすくなります。
次にやることを1つ挙げるなら、返済予定表を出して「次の適用金利の見直し日」に丸をつけてください。そこまでが今日の分です。
変動金利が何年後に何%まで上がったら、あなたは固定のほうがよかったと感じますか?
すぐには上がりません。日本銀行の統計では、過去4回の利上げのあと、短期プライムレートの最頻値は約1〜2か月後に0.25%上がりました。そこから適用金利は年2回、返済額は5年ごとに見直すのが一般的とされますが、時期は銀行・商品ごとに違うので返済予定表で確かめてください。
残高3,000万円・残り25年・元利均等で、変動1.0%から固定3.46%に移る仮の人では、毎月113,061円が149,544円になり、36,483円増えます(筆者の計算)。金利・残高・期間で変わります。
上の仮の人で、変動が1.0%のまま1年後に上がるなら3.66%、5年後なら4.73%、10年後なら7.38%で総返済額が並びます(諸費用を入れない場合の筆者の計算)。上がる時期と幅の両方で変わり、この記事では将来の金利は予想していません。