
住宅ローン金利が1%上がると返済額はいくら?3,500万円で計算
3,500万円・35年の住宅ローンで金利が0.5%から1.5%に上がると、毎月の返済は約1万6千円、総返済は約685万円増えます。変動金利の5年ルール・125%ルールと未払利息…
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「会社員でも、マンションを持つと所得税が戻りますよ」。職場にかかってくる電話で、こう言われた人は多いと思います。嘘ではありません。不動産の赤字は給料と差し引きできます。ただ、課税所得500万円の人が不動産で50万円の赤字を出すと、戻る税は約15万円です。赤字の50万円は、先にあなたの財布から出ています。税が減ったぶんだけ得をした、という話にはなりません。
不動産を貸して得る所得は「不動産所得」です。家賃などの収入から、必要経費を引いて計算します。
国税庁のタックスアンサー No.1391 には、不動産所得が赤字になったら、その赤字を他の黒字の所得から差し引ける、と書いてあります。これを損益通算(赤字と黒字を合算すること)と呼びます。会社員なら、給与所得から不動産の赤字を引けるので、そのぶん課税所得が減り、所得税と住民税が下がります。年末調整で天引きされた所得税は、確定申告で戻ります。
ここまでは勧誘のとおりです。問題はその先。
仮の人で数字にします。Cさんは会社員で、課税所得(給料から各種控除を引いた、税率をかける元の額)が500万円。そこに不動産所得のマイナス50万円が加わり、全額を給料と差し引きできたとします。
| 税の種類 | 計算 | 減る額 |
|---|---|---|
| 所得税 | 50万円×20% | 100,000円 |
| 復興特別所得税 | 10万円×2.1% | 2,100円 |
| 住民税 | 50万円×10% | 50,000円 |
| 合計 | 152,100円 |
50万円の赤字で、戻るのは約15万円。残りの約35万円は、Cさんの損のままです。
赤字というのは、家賃収入より出ていったお金が多かった、という意味です。税率が30%なら、1万円の赤字で戻るのは約3千円。赤字を出すほど税は減りますが、減った税より、出ていったお金のほうがいつも大きい。ここが「節税になる」という言葉で隠れやすいところです。
ただ、例外があります。減価償却です。
建物は古くなって価値が減っていくので、買った代金を一度に経費にせず、使える年数に分けて毎年少しずつ経費にします(国税庁 No.2100)。この毎年の経費を減価償却費と呼びます。払ったのは買った年なので、翌年以降の減価償却費は、その年にお金が出ていかない経費です。
もう1つ、逆向きの仕組みもあります。ローンの返済のうち、元本(借りたお金そのもの)の返済は必要経費になりません(国税庁「収支内訳書(不動産所得用)の書き方」令和7年分)。経費になるのは利子だけです。つまり、帳簿の赤字と財布の減り方はずれます。
| Cさんの赤字50万円の中身 | その年に出たお金 | 戻る税 | 差し引き |
|---|---|---|---|
| A 全部がお金の出る経費 | −50万円 | +15.21万円 | −34.79万円 |
| B うち40万円が減価償却 | −10万円 | +15.21万円 | +5.21万円 |
| C Bに加えて元本返済が30万円 | −40万円 | +15.21万円 | −24.79万円 |
勧誘で「手元が増える」と説明されるのは、Bの形のことが多いはずです。減価償却という、お金の出ない経費で帳簿だけ赤字にして、税を減らす形です。
ところが、Bにも後払いの部分があります。国税庁 No.3261 では、建物を売るときの取得費(売った利益を計算するときに引ける、買った値段)は、買った代金から、持っていた間の減価償却費を差し引いた額になります。毎年経費にした減価償却のぶん、売るときの利益が大きく計算されるわけです。いま減った税の一部を、売るときに払う形になりやすい。売る時期や持っていた年数で税率が変わるので、差し引きがどうなるかは人によって違います。
もう1つ、勧誘では出てきにくい決まりがあります。
国税庁 No.1391 は、不動産所得の赤字のうち「土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分の金額」は、給料などと差し引きできないとしています。マンションの1室を買うと、建物と一緒に土地の持ち分も買うことになります。ローンの利子のうち土地に当たる部分は、赤字になっても給料からは引けません。
Cさんの赤字50万円のうち、土地の分の利子が10万円だったとします。給料と差し引きできるのは40万円で、戻る税は40万円×30.42%=121,680円に減ります(税率は上の表と同じ前提)。国税庁の申告の手引きにも、赤字が土地の利子より大きいときは差額だけを書く、と例つきで載っています。
もう1つ。別荘のように趣味や娯楽のための貸付けの赤字も、差し引きできません。
このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。3つ目は「勧める人は何で収入を得ている?」です。
投資用マンションの販売会社の収入は、一般には物件を売ったときの利益です。売ったあとも、建物の管理や入居者の募集を引き受ける場合は、その手数料が入ります。会社ごとの内訳は、公式の資料では確かめられませんでした。なので、ここは一般的な形としてだけ書きます。
この形を当てはめると、売る側の利益は、あなたが契約した時点でおおむね決まります。一方で、あなたの「節税」は、これから何十年も家賃が入り続けて、空室や修繕の出費が想定の範囲に収まり、売るときに値段がつくかどうかにかかっています。売る側と買う側で、損益が決まるタイミングがまったく違う。時間の向きが逆です。電話の相手が「税金が戻る」を先に言うのは、この違いから見ると自然なことです。
国民生活センターは2019年3月に、20歳代からの投資用マンションの相談が2013年度の160件から2018年度の405件に増えたと発表しています。2018年度の平均の契約額は2,776万円でした。額が大きいぶん、勢いで決めると取り返しにくい買い物です。
宅地建物取引業法と、その施行規則(細かい決まりを定めた省令)は、不動産会社の勧誘で次のことを禁じています。条文は今日、e-Govで確かめました。
なので、断り方は短くてかまいません。「契約しません。今後の勧誘も受けません」と一度はっきり言えば、それ以上の勧誘は禁止の範囲に入ります。続くようなら、日時・会社名・担当者名・やりとりをメモしておきます。国土交通省は、その記録を持って免許行政庁(国土交通大臣免許なら地方整備局、都道府県知事免許なら都道府県)に知らせるよう案内しています。
契約してしまったあとの逃げ道が、宅地建物取引業法37条の2のクーリング・オフです。ただし条件があります。
やり方は書面。電話ではありません。書面を出した時点で効力が生じ、会社は損害賠償や違約金を請求できません。受け取った手付金などは返さなければなりません。
気をつけたいのは「場所」です。施行規則では、あなたが自分から「自宅で説明を聞きたい」「職場で説明を聞きたい」と申し出た場合、その自宅や職場は事務所と同じ扱いになります。その場で申し込んだり契約したりすると、クーリング・オフの対象から外れることがあります。「こちらから伺います」と言われたら、自分から呼んだ形にならないよう気をつけます。
困ったときは、消費者ホットライン188に電話すると、近くの消費生活センターなどの窓口を案内してもらえます。相談は無料で、通話料はかかります。
私なら、電話で「税金が戻る」と言われたら、戻る額より先に「毎年いくら赤字になる想定か」と「そのうち減価償却はいくらか」を聞きます。この2つが出てこないなら、話を進める材料がありません。
数字が出てきたら、上のA・B・Cの表に当てはめます。私なら、家賃が1割下がった年と、空室が2か月あった年でも計算し直します。利回りの数字の読み方は不動産の表面利回りと実質利回りの差で確かめました。
ローンを組む話になったら、金利が上がった場合の返済額も見ます。金利が1%上がったら返済はどう変わるかの計算の考え方は、投資用ローンにもそのまま使えます。税が戻る額より、金利1%の差のほうが大きくなることは十分にありえます。
ここまで見ても判断がつかないなら、自分の数字を持って税理士に聞きます。個別の節税額は、この記事では出せません。
次にやることを1つ挙げるなら、次に電話がかかってきたとき「毎年の赤字はいくらの想定ですか」と一言だけ聞いてみてください。答えが出てこなければ、「契約しません。今後の勧誘も受けません」で切ってかまいません。
「税金が戻る」と言われたとき、あなたはその前の赤字の額を聞いたことがありますか?
不動産所得が赤字なら、給与所得などと差し引きでき(国税庁 No.1391)、所得税と住民税は減ります。ただし戻る税は赤字の一部です。課税所得500万円の人が50万円の赤字なら、戻るのは約15万円で、赤字の50万円は先に出ています(筆者の計算)。
あります。赤字のうち、土地を買うための借入金の利子に当たる部分は、給料などと差し引きできません。別荘など趣味・娯楽のための貸付けの赤字も同じです(国税庁 No.1391)。
不動産会社が自ら売主で、事務所などではない場所で申し込みや契約をした場合、書面で撤回・解除できます。告げられた日から8日を過ぎたときや、引渡しを受けて代金を全部払ったときはできません。自分から自宅や職場での説明を申し出た場合は対象外になることがあります(宅地建物取引業法37条の2・施行規則16条の5)。