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不動産公開 2026-10-07 ・ 更新 2026-10-26

賃貸と持ち家どっちが得?35年の総額を金利3.83%で計算した

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賃貸と持ち家、35年の総額

4,000万円のマンションを今の固定金利(年3.83%)で買うと、35年で出ていくお金は約8,593万円。家賃12万円の賃貸なら約5,244万円でした。この条件なら賃貸のほうが約3,349万円少ない。

ただし、これは答えの半分です。家賃を15万円にする。金利を1%にする。35年後に家が2,000万円で売れるとする。どれか1つ動かすだけで、勝ち負けは入れ替わります。

書いている私は、相場のロジックを100以上検証してきたシステムエンジニアです。不動産の専門家ではないので、公的機関の原文を開いて確かめた数字と、前提を全部書いた自分の計算だけを載せています。

先に1分チェック:比べる前に決める3つ

  1. 買う家と同じ広さ・同じ場所の部屋は、家賃がいくらですか。ここが違うと、比べているのは「広い家と狭い部屋」になります
  2. ローンの金利は固定ですか、変動ですか。変動の低い金利が35年続く前提の計算は、持ち家に甘く出ます
  3. 35年後、その家はいくらで売れると見ていますか。答えが「わからない」なら、0円と半値の2通りで見ておきます

3つとも答えが出た人は、下の表の自分に近い行だけ読めば足ります。

仮の人で計算:持ち家は約8,593万円、賃貸は約5,244万円

まず物差しになる1組を決めます。金利は、住宅金融支援機構が出している【フラット35】の2026年10月の「最も多い金利」年3.83%を当てはめました。35年間ずっと変わらない固定金利です。

持ち家(4,000万円のマンション)35年の合計
頭金400万円
買うときの諸費用(仮)200万円
ローンの返済(月155,748円)約6,541万円
管理費と修繕積立金(月24,557円)約1,031万円
固定資産税(仮に年12万円)420万円
合計約8,593万円
賃貸(家賃 月12万円)35年の合計
家賃5,040万円
更新料(仮に2年ごと1か月分)204万円
合計5,244万円

筆者の計算。借入3,600万円・年3.83%・35年・元利均等。管理費11,503円と修繕積立金13,054円は国土交通省「令和5年度マンション総合調査」の月・戸当たりの平均で、35年間変わらないと置いた。諸費用・固定資産税・更新料は仮の数字。引っ越し代、家賃や管理費の値上がりは入れていない

差は約3,349万円。借りた3,600万円に対して、利息だけで約2,941万円を払う計算です。金利が3%台の今、ここがいちばん重い。

金利が動くと毎月の返済がどう変わるかは、住宅ローン金利が1%上がると返済額はいくらかで3,500万円の例を出しています。今回はその先、賃貸と並べたときの話です。

答えを逆にする3つのつまみ:家賃・売れる値段・金利

約3,349万円の差は、持ち家の人の手元に35年後も家が残ることを数えていません。そこで見方を変えます。「家賃がいくらを超えたら、持ち家と並ぶか」。35年後に家が売れる値段ごとに出しました。

35年後に売れる値段金利3.83%金利2%金利1%
0円月19.7万円月16.2万円月14.5万円
2,000万円(半値)月15.1万円月11.6万円月9.9万円

筆者の計算。(持ち家の35年の総額−売れる値段)÷437か月分(家賃420か月+更新料17回)。金利2%・1%は比べるための仮の数字で、35年間固定で借りられるという意味ではない。売るときの手数料と税は入れていない

読み方は1つです。同じ広さ・同じ場所の部屋の家賃が、表の数字より高ければ持ち家が少なく済む。低ければ賃貸が少なく済む。

金利3.83%で、家が半値で売れると見るなら線は月15.1万円。家賃12万円で借りられる部屋なら賃貸でした。同じ部屋が金利1%の世界なら、線は9.9万円まで下がって持ち家に変わります。物件は同じなのに、です。

全国の家賃の水準も置いておきます。総務省の住宅・土地統計調査(2023年)では、民営の借家(非木造)の家賃は全国平均で月68,548円でした。4,000万円のマンションと同じ広さとは限らないので、ここは自分の街の募集を見て埋める数字です。

質問1で読む:「持ち家が1,000万円得」の出典はどこ?

このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。今回は1つ目、「その数字の出典は?」です。

「持ち家のほうが1,000万円得」「賃貸は一生で◯千万円の払い損」。こういう数字を見たら、私は3か所を探します。

どれも嘘ではありません。前提が違うだけです。だから数字そのものより、前提が書いてあるかを先に見ます。書いていない比較は、私は読み飛ばします。

3つ目の年数は、次の節で実際に延ばしてみます。

36年目から先:持ち家は年に約108万円ずつ追いつく

ローンが終わると、持ち家の出費は管理費・修繕積立金・固定資産税だけになります。仮の人で年に約41万円。賃貸は家賃と更新料で年150万円のまま。差は年に約108万円です。

35年で開いた約3,349万円を、この108万円で埋めるのに約31年かかります。35歳で買った人なら、追いつくのは100歳を過ぎたころ。金利3.83%の計算では、長生きしても逆転は遠い。

金利2%なら35年の差は約1,816万円に縮み、埋まるまで約17年です。ここでも金利が答えを決めています。今の金利がこの先どう動きそうかは、日銀の利上げで住宅ローンはいつ上がるかに仕組みを書きました。

損する場合:計算の外で負けるのはこんなとき

お金だけで決めないほうがいい人もいます。子どもの学区を動かしたくない人、間取りを自分で変えたい人。逆に、勤め先や家族の人数がまだ動きそうな人。こういう事情は、3,000万円の差より重いことがあります。

私ならこうする

書き手のアイコン書き手

私なら、買いたい物件と同じマンションか隣の建物で、賃貸の募集を先に探します。家賃が分かれば、上の表のどの行にいるかが決まるからです。

次に、35年後の売値は0円で計算します。それでも持ち家が少なく済むなら迷いません。半値で売れてやっと並ぶなら、私は「得だから買う」とは言わない。「住みたいから買う」と言い直します。

金利は固定の数字で試します。変動で借りるとしても、です。甘い前提で勝っても、確かめたことにならないので。

この記事でわからないこと

お金を動かす前に、1つだけ確かめる。今回の1つは、近くの家賃です。気になる物件の近くで、同じ広さの賃貸の家賃を1件だけ調べてください。5分で終わります。

持ち家の側の計算に住宅ローン控除を入れるなら、上限を先に見てください。2026年入居の省エネ基準の新築は、年末残高が2,000万円を超えても、1年に戻る額は14万円で止まります。住宅の種類ごとの上限と、引ききれない場合は住宅ローン控除はいくら戻る?で計算しました。

その家賃は、表の「並ぶ家賃」より上でしたか、下でしたか?

住宅金融支援機構【フラット35】の金利情報(2026年10月の資金受取分)、総務省「固定資産税の概要」、国土交通省「令和5年度マンション総合調査」、総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」を2026年10月7日に確認し、仮の人で計算したものです。制度と計算の一般的な説明で、特定の物件やローンをすすめるものではなく、個別の助言でもありません。

よくある質問

賃貸と持ち家、35年の総額はどちらが少ないですか

前提で変わります。4,000万円のマンションを年3.83%の固定金利(フラット35の2026年10月の最も多い金利)で買う仮の人では、持ち家が約8,593万円、家賃12万円の賃貸が約5,244万円でした。家賃・金利・35年後に売れる値段を動かすと逆になります(筆者の計算、2026年10月7日)。

家賃がいくらなら持ち家のほうが少なく済みますか

この記事の仮の人では、35年後に家が0円なら月19.7万円、半値の2,000万円で売れるなら月15.1万円が並ぶ線です。金利が1%なら線は14.5万円と9.9万円まで下がります。同じ広さ・同じ場所の家賃と比べてください。

ローンが終わったあとは持ち家が有利ですか

毎年の出費は持ち家のほうが小さくなります。仮の人では賃貸が年150万円、持ち家は管理費・修繕積立金・固定資産税で年約41万円でした。ただし35年で開いた約3,349万円を埋めるのに約31年かかる計算で、金利が高いほど逆転は遠くなります。

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