
相続税が0円でも申告は必要?特例を使う人の手順を国税庁で確認
相続税が0円になる家族でも、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例で0円にするなら申告が必要です。遺産9,000万円の仮の家族で、特例なしなら480万円、申告すれば0円になる流れ…
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総務省の資料には、給与収入500万円・独身なら上限は6.1万円という目安が載っています。ところが同じ総務省のよくある質問は、具体的な上限額は住んでいる市区町村に聞くよう書いています。表の数字は目安です。上限を決めているのは住民税の「所得割」の2割で、iDeCoの掛金が年12万円あるだけで、仮の人の上限は約3,000円下がりました。一方で、上限を1万円超えても、増える負担は約8,000円です。超えたところで損が際限なく広がる仕組みにはなっていません。
ふるさと納税で寄附すると、2,000円を超えた部分が税金から引かれます。引かれ方は3つ。総務省のポータルサイトの書き方をそのまま並べます。
3つを足すと、ちょうど(寄附額−2,000円)の全額。そう作られています。所得割は、住民税のうち所得に応じてかかる部分のことで、標準の税率は都道府県分4%と市区町村分6%を合わせた10%です(地方税法35条・314条の3)。
例で確かめます。使うのは総務省の資料に載っている、年収750万円・夫婦子なしで所得税率20%の人が3万円を寄附した場合です。
| 控除 | 計算 | 額 |
|---|---|---|
| 所得税 | 28,000円×20% | 5,600円 |
| 住民税・基本分 | 28,000円×10% | 2,800円 |
| 住民税・特例分 | 28,000円×(100%−10%−20%) | 19,600円 |
| 合計 | 28,000円 |
所得税と基本分には「総所得金額等の40%・30%まで」という上限がありますが、会社員が普通に寄附する額ではまず届きません。先にぶつかるのは、特例分の「所得割の2割」。こちらが天井です。
特例分は寄附額に比例して増えますが、所得割の2割で止まります。そこが上限。この式を寄附額について解くと、こうなります。
上限=所得割×0.2÷(0.9−所得税率×1.021)+2,000円
所得税率10%の人なら、割る数は0.9−0.1021=0.7979です。つまり、所得割が1万円変わると、上限は2,000円÷0.7979で約2,500円動きます。この式に年収は出てきません。所得割と所得税率だけです。
目安表は、総務省の資料「ふるさと納税制度とは」に載っています。給与収入500万円の行は、独身6.1万円、夫婦+子1人4.0万円、夫婦+子2人2.8万円です。
独身の6.1万円を、さっきの式で逆にたどります。所得税率10%とすると、所得割は(61,000−2,000)×0.7979÷0.2=約23.5万円。目安表は、所得割がこのくらいになる人を想定した数字だと読めます。
ずれるのは、ここです。
総務省自身も、上限は収入や他の控除の状況によるとし、具体的な計算は市区町村に聞くよう書いています。表の数字をそのまま自分の上限と読めば、ずれます。当然です。
iDeCoの掛金は全額が所得控除です(国税庁タックスアンサー1135番)。医療費控除も所得控除で、支払った医療費から保険金などと10万円を引いた額です(同1120番)。所得控除(税金をかける前の所得から引くもの)が増えると、課税される所得が減り、所得割もその10%分減ります。所得割が減れば、上の式どおり上限も下がります。
仮の人で比べます。所得割が235,000円で、所得税率10%の会社員。
| 今年の控除 | 所得割 | 上限の目安 |
|---|---|---|
| 追加なし | 235,000円 | 約60,900円 |
| iDeCo 年12万円(月1万円) | 223,000円 | 約57,900円(約3,000円減) |
| 医療費控除 10万円 | 225,000円 | 約58,400円(約2,500円減) |
| 両方 | 213,000円 | 約55,400円(約5,500円減) |
数千円の差です。小さい。けれど、上限いっぱいを狙って寄附していると、この数千円がそのまま2,000円を超える負担になります。しかも住民税は前年の所得で決まります。今年の控除が効くのは来年度の所得割です。去年の決定通知書だけを見て計算すると、今年増えた控除の分だけ上に外れます。
落とし穴がもう1つ。医療費控除で確定申告をすると、ワンストップ特例は使えません。ふるさと納税も申告書に書く必要があります。
住宅ローン控除は仕組みが違います。税額から直接引く控除です。法律上、特例分の2割の基準は住宅ローン控除を引く前の所得割なので、上の表のようには動きません。所得税で引ききれない分がどう住民税に回るかなど、組み合わせで結果が変わるので、この記事では計算していません。ここは市区町村に聞く所です。
控除の説明ページには、特例分が所得割の2割を超えると、3つを足しても全額は控除されず、負担は2,000円を超えると書かれています。ここで早とちりしやすいのが、「超えたら全部が自腹になる」という読み方です。
止まるのは特例分だけ。所得税と基本分は、超えた分にもかかり続けます。所得税率10%の人なら、超えた1万円のうち所得税で1,021円、基本分で1,000円が戻り、負担が増えるのは7,979円です。
上の仮の人(上限約60,900円)が7万円を寄附した場合で確かめました。
計算は以上。上限を約9,100円超えて、負担は2,000円から約9,257円へ。増えた約7,257円は、超えた額の約8割です。返礼品の中身をどう評価するかは人それぞれですが、税の側の損はこの割合で決まっていて、青天井にはなりません。
ワンストップ特例は、確定申告なしで控除を受けられる仕組みで、使えるのは確定申告の不要な給与所得者等で、寄附先が5団体以内の場合に限られます(総務省ポータル「よくある質問」)。自己負担の2,000円は、1年間(1月〜12月)の寄附の合計に対して1回だけかかります。
このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。3つ目は「勧める人は何で収入を得ている?」です。ふるさと納税の場合、上限を教えてくれる計算ツールの多くは、仲介サイト(ポータルサイト)の中にあります。
総務省が2026年7月31日に出した現況調査を見ました。2025年度(令和7年度)の寄附の受入額は1兆3,314億円で、そのうち97.2%がポータルサイトを経由しています。自治体がポータルサイト運営事業者に払ったお金は合計2,433億円。返礼品の調達や送料の取り次ぎを除いた、広報・決済・掲載の委託料などだけでも1,490億円で、経由した寄附額の11.5%にあたります。この11.5%は前年度と同じ割合で、寄附が増えた分、支払いも1,379億円から1,490億円に増えました。
払うのは自治体です。財源は寄附金。寄附する人が手数料を直接払うわけではありません。ただ、サイト側の収入は寄附と一緒に増えてきました。契約ごとの料率までは、私は総務省の資料で確かめられていません。それでも「上限いっぱいまで使わないと損」という言い方には、勧める側の収入と同じ向きの力がかかっていると私は読みます。サイトの計算ツールが悪いという話ではありません。出てくる数字も、この記事の目安表と同じく前提つきの目安だということです。
ポイントの件も書いておきます。総務省は2024年6月28日に告示を改正し、「寄附に伴いポイント等の付与を行う者を通じた募集を禁止すること」を、2025年10月1日から適用しました。禁止の形は、自治体の指定の基準です。ポイントを付けるサイトを通じて募集した自治体は、基準に合わなくなります。Q&Aを読むと、名前が「マイル」「コイン」などでも、寄附に伴って付くものは広く対象とされています。
私なら、目安表より先に去年の決定通知書の所得割額を確かめます。そこから式で出した数字と、目安表の数字を並べて、差が大きければ理由を探します。
次は、今年だけ増える所得控除。数えます。iDeCoを始めた、医療費がかさんだ、といった年は、所得割×0.2÷0.7979の式で下がる分を先に引いておきます。私なら、上限の手前で止めて、超えたときの負担は「超えた分の約8割」と覚えておきます。
このうちiDeCoは、掛金を多く入れるほど所得割が下がり、ふるさと納税の上限も下がります。見落としやすい点です。どこまで入れられるかは会社員か自営業かで違うので、立場ごとのiDeCoの掛金の上限で確かめてから計算します。
副業で所得が増えた年は逆に所得割が増えますが、住民税の申告の手順を先に済ませるのが順番です。手順は副業20万円以下でも住民税の申告がいる話にまとめました。
次にやることを1つ挙げるなら、去年の住民税の決定通知書を出して、所得割額を見てください。そこに0.2を掛けて0.7979で割り、2,000円を足すところまでが今日の分です(所得税率10%の人の場合)。
あなたが見たことのある「上限の目安」は、どんな前提で計算された数字でしたか?
住民税の特例分が「住民税所得割の2割」で止まるところが上限です(総務省ポータル「税金の控除について」)。所得税率10%の人なら、上限の目安は所得割×0.2÷0.7979+2,000円です(筆者の計算)。具体的な額は住んでいる市区町村に確かめてください。
超えた分は特例分の控除がなくなりますが、所得税と住民税の基本分の控除は続きます。所得税率10%の人なら、超えた1万円あたりの負担増は7,979円です(筆者の計算)。
確定申告の不要な給与所得者等で、寄附先が5団体以内の人です(総務省ポータル「よくある質問」)。医療費控除などで確定申告をする人は、ふるさと納税も確定申告に書きます。