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NISA・投資信託公開 2026-10-23 ・ 更新 2026-10-31

新NISAに確定申告は要る?非課税でも損を取り戻せない落とし穴

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新NISAに確定申告は要るか

新NISA口座の利益と配当は非課税。国税庁の原文でそう確かめました。だからNISAの分は、申告書に書く所得がありません。ただし損失は逆で、「なかったもの」として扱われ、特定口座の利益と通算できません。

仮の人で数字にすると、特定口座で利益40万円、NISA口座で損失30万円のとき、通算できないぶん税が約6万円多くなります。

書いている私は、売買ロジックを100以上検証してきたシステムエンジニアです。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)の資格は持っていますが、税理士ではなく、個別の税額計算や申告の代行はしていません。国税庁の原文を開いて確かめた内容だけを書いています。

先に1分チェック

  1. NISA口座だけで投資していますか。それなら、NISAの利益と配当に税はかかりません
  2. 特定口座や一般口座も持っていますか。持っているなら、NISAの損失をそちらの利益から引けるか、が気になるはずです。引けません
  3. 株の配当を、証券会社を通さず受け取っていませんか。国税庁は、その配当を課税扱いとしています

非課税とは「申告書に書く所得がない」こと

国税庁のタックスアンサー No.1535(令和8年4月1日現在法令等)は、令和6年以降のNISAをこう説明しています。つみたて投資枠と成長投資枠で取得した上場株式等について、配当等と、売却したことで生じた譲渡益が非課税になる。

非課税の利益は、そもそも申告する所得の計算に入りません。私の読みでは、NISA口座の利益や配当だけなら、確定申告で税額を計算する対象がない、ということです。ただし、この原文は「確定申告が不要」と直接書いてはいません。給与や他の所得を含めた申告の要否は、別の条件で決まります。

非課税の幅も、同じ原文で確かめました。年間の投資上限は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円。非課税で持てる総額は1,800万円で、うち成長投資枠は1,200万円までです。枠が戻る仕組みは新NISAの枠が復活するタイミングに書きました。

落とし穴1:損失は「なかったもの」になる

ここが質問2、「自分が損する場合は書いてあるか」の出番です。同じ原文の(注2)に、こうあります。

非課税口座で売却して生じた損失は、ないものとみなされる。だから、特定口座や一般口座で持っている上場株式等の配当や譲渡益との損益通算も、翌年以降への繰越控除もできない。

非課税の代わりに、損も使えない。セットです。覚えるのは、これだけ。特定口座で損を出したときの繰越の仕組みは株の損失を翌年に繰り越す方法にありますが、NISA口座の損失は、その入口にも立てません。

仮の人で確かめます。特定口座で利益40万円、NISA口座で損失30万円。税率は、10月20日の特定口座の記事で国税庁の原文から確かめた20.315%(所得税15.315%と住民税5%)で考えます。

見方課税される利益税額の目安
もし通算できたら40万−30万=10万円約20,315円
実際(NISAの損失は使えない)40万円約81,260円
差約60,945円

筆者の計算。上の仮の人だけに当てはまります。復興特別所得税などの細部と、実際の取引の状況で変わります。2026年10月23日に国税庁 No.1535 を確認。

大きい差です。60,945円は、NISAで損をした人が「通算できるはず」と思って、取り戻せなかった額です。NISAを使うかどうか、特定口座とどう分けるかを考えるとき、私なら利益の見込みと同じ重さで、この「損が使えない」を見ます。

落とし穴2:配当の受け取り方で、課税に変わる

もう1つ、原文の(注1)が見落としやすい条件を書いています。非課税になる配当等は、NISA口座を開いた証券会社などを経由して交付されるもの、つまり株式数比例配分方式を選んだものに限る。発行者から直接受け取る配当は、課税扱いです。

損失の話の次に気になるのは、受け取り方でしょう。国内株を持っている人は、配当の受取方法の設定を、口座の管理画面で確かめる所です。私なら、NISAで株を買ったらまずここを見ます。

投資信託の分配金の仕組みは別の話なので、毎月分配型の分配金の記事で見てください。この記事では扱いません。

3つの質問のうち、使うのは質問2

このブログでは、お金の話に3つの質問を当てます。NISAは「非課税」の看板が先に目に入る制度です。だから質問2、「自分が損する場合は書いてあるか」を、私は看板の次に探します。

国税庁の原文は、損する場合を注の形で書いていました。本文の概要だけを読んで終わると、損失の扱いは見えません。注まで読む。それが今日の確かめ方です。

口座の種類ごとに、確定申告が要るかを並べる

「NISAに確定申告は要るか」で検索する人の多くは、NISAと一緒に特定口座も持っています。口座ごとに見ると、答えが分かれます。国税庁 No.1535 と No.1476(いずれも令和8年4月1日現在法令等、2026年10月31日に読み直し)から、読み取れる範囲を表にしました。

口座利益・配当の税確定申告
NISA口座配当等と譲渡益が非課税(証券会社経由で受け取る配当のみ)NISAの分は、申告する所得の計算に入らない
特定口座(源泉徴収あり)売ったときに源泉徴収される口座内の譲渡による所得は、申告不要にできる。他の口座との通算や損失の繰り越しをするときは申告が必要
特定口座(源泉徴収なし)自分で申告して納める特定口座年間取引報告書で簡易に申告できる

出典:国税庁 タックスアンサー No.1535・No.1476(令和8年4月1日現在法令等、2026年10月31日確認)。表は筆者の整理です。一般口座については、今日読んだページに記載がなく、表に入れていません

NISAだけで投資しているなら、NISAのために申告する場面はありません。ただし、会社員で副業や医療費控除があるなど、NISAとは別の理由で申告が要る人は、申告書の作成自体は残ります。NISAの分は、そこに書く欄がありません。

会社員が確定申告をする別の理由

NISAとは関係なく申告が必要になる場面を、国税庁 No.1900(2026年10月31日に読み直し)の主な項目でまとめます。

20万円の判定に入れなくてよい所得も、同じページに書かれています。たとえば、上場株式の配当で確定申告をしないことを選んだもの、特定口座(源泉徴収あり)の譲渡による所得で確定申告をしないことを選んだもの、源泉分離課税の預貯金の利子です。NISAの利益は、そもそも非課税なので、この判定の対象に出てきません。

旧NISAの商品は、新NISAの外側で非課税のまま

No.1535 には、令和5年までのNISA(一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA)で投資した商品は、令和6年以降のNISAの外枠で引き続き非課税の対象になる、と書かれています。旧NISAの口座を持っている人も、新NISAの枠とは別に、非課税が続きます。ただし、この外枠の商品を売っても、新NISAの枠が戻るわけではありません(詳しくは新NISAで売ったら枠は復活する?)。

この記事の書き手と出典

書き手はシステムエンジニアで、FP1級を持っています(税理士ではありません)。個別の税額計算や申告の代行はしません。

更新の履歴:2026年10月31日、口座の種類別の申告の早見表・会社員が申告する別の理由・旧NISAの外枠を追加しました。

損する場合・向かない人

私ならこうする

書き手のアイコン書き手

私なら、特定口座とNISA口座に同じような商品を買わない前提で、役割を分けます。損をしたときに他の口座の利益から引けるのは特定口座の側だけ、と最初に頭に置くためです。

次に、国内株を持つなら配当の受取方法の設定を開いて、証券会社経由になっているかを見ます。

申告が要るかどうかは、NISAの有無だけでは決まりません。迷ったら、税務署か税理士に聞きます。ここから先は個別の事情です。

この記事でわからないこと

お金を動かす前に、1つだけ確かめる。今回の1つは、NISA口座で出ている損益と、特定口座の損益が別の箱に入っていることです。

あなたのNISA口座と特定口座は、いま損益がどう分かれていますか?

国税庁タックスアンサー No.1535「NISA制度」・No.1463「株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」(いずれも令和8年4月1日現在法令等)を2026年10月23日に確認。制度の一般的な説明で、個別の税務・投資の助言ではありません。

よくある質問

新NISAの利益は確定申告が必要ですか

NISA口座の利益と配当は非課税です。国税庁 No.1535 は、つみたて投資枠・成長投資枠で取得した上場株式等の配当等と譲渡益が非課税と書いています。ただし申告が要るかどうかは、給与や他の所得を含めた別の条件でも決まります。

NISA口座で出た損失は、特定口座の利益と通算できますか

できません。国税庁 No.1535 の注は、NISA口座で売却して生じた損失はないものとみなされ、特定口座・一般口座の配当等や譲渡益との損益通算も繰越控除もできないと書いています。

NISAで買った株の配当は、すべて非課税ですか

いいえ。国税庁 No.1535 の注によると、非課税になるのは証券会社などを経由して交付される配当(株式数比例配分方式)に限られます。発行者から直接受け取る配当は課税扱いです。

NISAだけなら確定申告は不要ですか

国税庁 No.1535によると、NISA口座の配当等と譲渡益は非課税で、申告する所得の計算に入りません。ただし、会社員の副業が20万円を超える場合や医療費控除など、NISAとは別の理由で申告が必要になることがあります(No.1900、2026年10月31日確認)。

特定口座(源泉徴収あり)の人は確定申告が要りますか

国税庁 No.1476によると、特定口座(源泉徴収あり)の譲渡による所得は申告不要にできます。ただし、他の口座との損益通算や、損失を翌年以降に繰り越すときは確定申告が必要です(2026年10月31日確認)。

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