副業の帳簿、つける義務はある?白色申告の記帳と保存は5年と7年
PR:このページには広告(アフィリエイトリンク)が含まれています。

会社員の副業が雑所得(ほかのどの区分にも入らない所得)なら、国税庁の原文に帳簿をつける義務は書かれていません。書類を残す義務が出るのは、2年前の副業の収入が300万円を超えた人からです。事業所得として申告するなら話が変わり、記帳と5年・7年の保存が要ります。
「副業でも帳簿は必須」という話をよく見ます。原文を開くと、線は所得の区分で引かれていました。
先に1分チェック:あなたはどの線にいる?
- 去年の確定申告で、副業を何の所得として書きましたか。雑所得(業務)か、事業所得か。まだ申告していないなら、たいていの会社員の副業は雑所得の欄に入ります
- 2年前の副業の収入は300万円を超えていますか。2026年分なら、2024年分の収入で見ます。所得ではなく収入です
- 経費を引いて申告するつもりですか。義務とは別に、引くなら根拠が要ります
3つの答えで、下の表のどの行かが決まります。
何を何年残すか:国税庁の表を副業の目で並べ直す
国税庁 No.2080 は、対象を2つに分けています。1つは不動産所得・事業所得・山林所得のある人。もう1つは業務に係る雑所得があって、前々年の収入が300万円を超える人です。
| あなたの副業 | 帳簿をつける | 残すもの・年数 |
|---|---|---|
| 事業所得 | 要る | 収入と経費の帳簿は7年/そのほかの帳簿・領収書・請求書は5年 |
| 雑所得で、2年前の収入が300万円超 | 原文に記帳の義務は無い | 現金や預金の出し入れのときの請求書・領収書などを5年 |
| 雑所得で、2年前の収入が300万円以下 | 原文に記帳の義務は無い | 保存の義務も原文には書かれていない |
ほとんどの会社員の副業は3行目です。義務はない。ただ、ここで終わらせると損をします。所得が20万円以下で確定申告が要らない人でも、住民税の申告は残り、そこで副業の所得を書くからです。その線は副業20万円以下でも住民税の申告は必要で確かめました。
質問2で読む:義務がなくても、記録が無いと損をする
このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。今回は2つ目、「自分が損する場合は書いてある?」です。
3行目の人に義務は無い。でも確定申告で経費を引くなら、その経費が本当にあったと示せるものが要ります。副業の確定申告のやり方で計算した仮の人は、経費10万円の記録が無いだけで、所得税と住民税が合わせて約2万円多くなりました。義務の線と、損をしない線は別です。
事業所得の人には、もう1つ重しがあります。国税庁 No.2080 によると、令和5年分の申告から、税務調査で売上げの帳簿を残していない・記載が足りないと分かった場合、過少申告加算税や無申告加算税に5%か10%が上乗せされます。帳簿は「つけておけば得」ではなく、「無いと罰が重くなる」ものになりました。
つけ方:毎日の合計を1行でもいい
では、つけるとしたら何を書くか。国税庁が挙げているのは次の4つです。
- 取引の年月日
- 売上先・仕入先などの相手の名前
- 金額
- 日々の売上げ・仕入れ・経費の金額
取引を1件ずつ書かなくてもいい、とも書いてあります。原文では「日々の合計金額のみをまとめて記載する」簡易な方法が認められています。表計算ソフトなら、列は「日付・相手・内容・入金・出金」の5つで足ります。
保存の場所は、住所地か仕事をしている所。紙なら封筒1つ、データならフォルダ1つにまとめておけば、5年後に探す手間が減ります。
ソフトは要るか:入金の件数で決める
つけ方が5列で済むなら、会計ソフトは何のためにあるのか。答えは件数です。
入金が月に数件なら、表計算ソフトの5列で回ります。事業所得で申告し、入金や経費が毎月何十件もあるなら、銀行やカードの明細を取り込めるソフトが手で写す作業を減らしてくれます。
お金の面では、やよいの白色申告オンラインにはフリープラン(全機能が無料・相談のサポートは付かない)があり、マネーフォワード クラウド確定申告は2026年12月1日に料金が改定されます(2026年10月25日に両社の料金ページで確認)。2社の無料の範囲と改定の中身は確定申告ソフトは無料でどこまで?に表で並べました。
広告(リンクから申し込みがあると、私は紹介料を受け取ります)
やよいの白色申告オンライン
/ 自動化でカンタンに書類作成 マネーフォワード クラウド確定申告
![]()
収入が伸びてきた人は、2年遅れの線に注意
表の2行目の線は「前々年」で引かれます。ここが分かりにくい。
たとえば2024年に副業の収入が320万円あった人は、2026年分の申告で書類の保存が要ります。2026年の収入が100万円に減っていても、見るのは2024年です。逆に今年はじめて300万円を超えた人は、義務が始まるのは2年後。国税庁 No.1500 には、前々年の収入が1,000万円を超えると、収入と経費の内訳を書いた書類(収支内訳書など)を申告書に付ける決まりもあります。
収入が伸びている人ほど、2年前の数字を手帳に書いておくと迷いません。
私ならこうする
私なら、義務があるかどうかに関係なく、5列の表を1枚作ります。入金と経費を月末にまとめて書くだけ。月に10分です。
領収書はスマホで撮って月ごとのフォルダへ入れ、紙は封筒に入れて年の数字を書きます。事業所得になったら7年、それ以外も5年は捨てない。年数で迷うくらいなら、長いほうに合わせます。
それと、副業の収入の年合計は毎年メモに残します。2年後に「300万円を超えた年はあったか」を見るためです。
この記事でわからないこと
- あなたの副業が雑所得か事業所得か。国税庁の通達(所得税基本通達35-2)に考え方がありますが、今日は原文の表示が崩れて読みきれなかったので、ここでは書いていません。迷う人は税務署か税理士へ
- 5年・7年をいつから数えるか。今日開いた原文には起算日が書かれていませんでした
- データで残すときの電子帳簿保存法の細かい要件
- 青色申告の帳簿(複式簿記)。この記事は白色申告と雑所得だけです
次にやることを1つ。去年と2年前の副業の収入の合計を、通帳かアプリの履歴で出してください。
2年前の収入は、300万円の線を超えていましたか?
よくある質問
会社員の副業でも帳簿をつける義務はありますか
国税庁 No.2080 で記帳の対象とされているのは、不動産所得・事業所得・山林所得のある人です。副業が業務に係る雑所得なら、原文に記帳の義務は書かれていません。ただし経費を引いて申告するなら、根拠になる記録は手元に残しておくものです(2026年10月18日確認)。
白色申告の帳簿や領収書は何年保存しますか
収入と経費を書いた帳簿は7年、そのほかの帳簿・決算の書類・請求書や領収書などは5年です。副業が雑所得で前々年の収入が300万円を超える人は、現金や預金の出し入れのときの請求書・領収書などを5年保存します(国税庁 No.2080)。
副業の帳簿は1件ずつ書かないといけませんか
いいえ。国税庁は、取引ごとではなく日々の合計金額だけをまとめて書く簡易な方法も認めています。書くのは、取引の日付・相手の名前・金額・日々の売上げや経費の金額です。
次に読む
- いまの話と同じテーマを、別の角度から確かめるなら、こちら。副業20万円以下でも住民税の申告は必要
- 同じテーマを、もう一歩くわしく見るなら、こちらも。副業の確定申告のやり方
- この話の次に、同じテーマで確かめておきたいのはこちら。副業詐欺の見分け方は1つ。稼ぐはずが払う話になったら止まる