
iDeCoの始め方の手順
iDeCoの始め方を、申し込む前の確認から掛金の引き落とし、運用商品の選択まで順に並べました。国民年金基金連合会の手数料は加入時2,829円と掛金1回ごとに105円で、窓口の金…
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年金を60歳から受け取ると、額は24%減ります。65歳になっても戻りません。一生そのままです。しかも、あとから取り消せない。
減るだけなら計算で済みます。私が原文を読んで引っかかったのは、減る話の下に並んでいた「もらえなくなるもの」でした。障害年金の一部、寡婦年金、国民年金の任意加入。早く受け取る代わりに、手放す権利があります。
1つでも「はい」なら、減額率より先に確かめる行があります。全部「いいえ」の人は、次の計算が判断の中心になります。
繰上げ受給は、原則65歳からの年金を60歳から65歳になるまでの間に前倒しで受け取る仕組みです。日本年金機構の式はこうなっています。
減額率=0.4%×繰り上げた月数(昭和37年4月2日以降に生まれた人。それより前に生まれた人は1か月0.5%)
| 請求したときの年齢 | 減額率 | 年200万円の人の年金 |
|---|---|---|
| 60歳0か月 | 24.0% | 152万円 |
| 62歳0か月 | 14.4% | 171.2万円 |
| 64歳0か月 | 4.8% | 190.4万円 |
| 65歳(繰上げなし) | 0% | 200万円 |
率は月単位で決まります。日本年金機構は「手続きを行った時点で繰上げ減額率が決まります」と書いています。請求を1か月遅らせれば0.4%戻る。小さい。でも年200万円の人なら年8,000円で、これも一生続きます。
老齢基礎年金と老齢厚生年金は、原則として同時に繰り上げます。片方だけ早く、はできません。ここは繰下げと逆でした。
早く受け取れば、最初のうちは累計で先を走ります。では、いつ追いつかれるのか。年200万円の人が60歳・62歳・65歳から受け取り始めた場合を並べて、月単位で1か月分ずつ足していきました。
| 受け取り開始 | 75歳まで | 80歳まで | 90歳まで |
|---|---|---|---|
| 60歳から(年152万円) | 2,280万円 | 3,040万円 | 4,560万円 |
| 62歳から(年171.2万円) | 2,226万円 | 3,082万円 | 4,794万円 |
| 65歳から(年200万円) | 2,000万円 | 3,000万円 | 5,000万円 |
60歳から受け取った人は、80歳の時点でまだ40万円多い。並ぶのは80歳10か月です。その翌月から、65歳で受け取り始めた人のほうが多くなります。90歳では440万円の差がつきます。
62歳から受け取った人が並ぶのは82歳10か月、64歳からなら84歳10か月でした。どれも受け取り始めてから20年10か月後です。式を解くと、1÷0.004=250か月。何歳で繰り上げても、この長さは同じになります。
20年10か月は長いのか短いのか。厚生労働省の令和7年簡易生命表では、60歳の人の平均余命は男性23.86年、女性29.07年でした。平均で見れば、並ぶ時点のほうが先に来ます。ただ、平均は自分の寿命を教えてくれません。ここは計算で決まらない。
反対に、受け取りを遅らせる側の計算は年金を繰り下げたら何歳で元が取れるかに書きました。あちらは1か月0.7%増で、並ぶまで11年11か月。減る率と増える率が違うので、並ぶまでの長さも違います。
このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。今回は2つ目、「自分が損する場合は書いてある?」です。
繰上げの説明は、損益分岐の年齢で終わることが多い。でも日本年金機構のページには、注意点が13項目並んでいます。そのまま読むと長いので、3つに分けました。
3番目が、いちばん割に合わない形です。24%減らして受け取り始めたのに、働いている間はその一部が止まる。二重です。止まっている間も、24%という減額率は変わりません。60歳で退職して失業保険を受け取るつもりの人は、順番を先に確かめる行です。
私なら、損益分岐の年齢より先に「失う」の5行を自分に当てます。持病があるか。保険料を払っていない期間があるか。ここで1つでも当たれば、年金事務所で聞くまで請求しません。取り消せない手続きなので、聞いてからで遅くない。
どれも当たらなければ、次に60歳から65歳までの生活費を数えます。足りない額が月いくらで、何か月分か。5年分を丸ごと繰り上げる前に、足りない月数だけ繰り上げる形を見ます。1か月遅らせるごとに0.4%戻るからです。
老後にいくら要るかの見当がまだ付いていない人は、「老後2,000万円」の前提を確かめた記事が先です。足りない額が出ないと、繰り上げる月数も決まりません。
長生きするかどうかは分かりません。だから私は、当たり外れを読む計算より、取り返しのつかない行を先に潰します。
次にやることを1つ。ねんきん定期便かねんきんネットで、65歳からの見込額を見てください。その額に0.76を掛けた数字が、60歳0か月で繰り上げたときの年金です。
その額で、65歳から先の20年を暮らせそうですか?
取り消せません。日本年金機構は、繰上げ請求した後は取消しできないと書いています。減額率も一生変わらず、65歳になっても元の額には戻りません(日本年金機構「年金の繰上げ受給」、2026年10月6日確認)。
額面の累計では、80歳10か月で65歳から受け取った人と並び、その翌月から下回ります。繰り上げた年齢に関係なく、受け取り開始から20年10か月後に並びます(筆者の計算。減額率1か月0.4%、税・社会保険料は入れていません)。
繰上げ請求した日以後は、事後重症などによる障害基礎年金・障害厚生年金を請求できなくなります。日本年金機構は、治療中の病気や持病がある人に注意を呼びかけています。対象になるかどうかは年金事務所で確かめる部分です。