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年金・老後公開 2026-10-18 ・ 更新 2026-10-21

在職老齢年金は62万円?2026年4月からの基準は65万円

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在職老齢年金は62万円?65万円?

働きながら年金を受け取る人の年金が減り始める線は、2026年4月から月65万円です。よく見る「62万円」は、法律が成立した2025年6月の時点の額でした。給与と年金の合計が65万円以下なら、年金は1円も止まりません。

62万円と65万円。3万円の差ですが、ぎりぎりで働く時間を決めている人には効きます。

書いている私は、相場のロジックを100以上検証してきたシステムエンジニアです。年金の専門家ではないので、日本年金機構と厚生労働省の原文を開いて確かめた内容と、前提を書いた自分の計算だけを載せています。

先に1分チェック:この記事はあなた向け?

  1. 60歳を過ぎても、会社で厚生年金に入って働きますか。入らない働き方(個人事業など)なら、この仕組みは関係ありません
  2. 老齢厚生年金を受け取っていますか(受け取る予定ですか)。止まる対象は厚生年金の部分だけです
  3. 賞与(ボーナス)がありますか。あるなら、線を越えるかどうかの計算に効いてきます

3つとも「はい」の人が、この記事の相手です。

質問1で見る:「62万円」の出典は?

このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。今回は1つ目、「その数字の出典は?」です。

62万円の出どころをたどると、厚生労働省のページに行き着きます。そこにはこう書いてあります。「改正後の支給停止基準額(62万円)は、法律成立時(2025年6月)の額です」。続けて「2026年4月からは65万円になります」。

なぜ額がずれたのか。日本年金機構の説明では、この基準額は毎年度、賃金の変動に合わせて改定されます。法律の数字は成立した時点の物差しで、施行の年度には物差しが動いていた。だから両方とも嘘ではありません。ただ、今年の働き方を決めるのに使うのは65万円のほうです。

ちなみに見直しの前、2024年度の線は50万円でした(厚生労働省)。そこから見れば15万円上がっています。

止まる額の式は1本だけ

日本年金機構の式はこうです。

標準報酬月額は、給与を区切りのいい額に当てはめた値で、給与明細の社会保険料のもとになっている数字です。だいたい月給と思って読めます。

止まらないものもあります。老齢基礎年金(国民年金の部分)と経過的加算は、いくら稼いでも全額出ます。

仮の人で計算:基本月額10万円なら、給与55万円までは減らない

式だけだと実感がわかないので、仮の人を置きます。66歳、会社員として厚生年金に入って働き、基本月額は10万円。給与(総報酬月額相当額)を4通りに動かしました。

給与(総報酬月額相当額)2026年度(線65万円)2024年度の線(50万円)なら
50万円止まらない月5万円止まる
55万円止まらない月7.5万円止まる
60万円月2.5万円止まる全額止まる
70万円月7.5万円止まる全額止まる

筆者の計算。日本年金機構の式(基本月額+総報酬月額相当額−基準額)÷2 に当てはめた。基本月額10万円の仮の人で、加給年金・税・社会保険料は入れていない。あなたの年金額ではありません

給与60万円の行を見てください。年金と合わせて70万円。65万円を5万円超えたので、その半分の2.5万円が止まります。年にすると30万円です。それでも残りの7.5万円と基礎年金は出ます。

2024年度の線のままなら、同じ人は給与60万円で厚生年金が全部止まっていました。見直しで、ここがいちばん変わった所です。

損する場合:賞与で線を越える

月給だけ見て「65万円に届かない」と安心するのは早い。式の2つ目に「1年間の標準賞与額の合計÷12」が入っているからです。

たとえば月給(標準報酬月額)50万円で、年に120万円の賞与がある人。120万円÷12=10万円が上乗せされ、総報酬月額相当額は60万円になります。基本月額10万円なら合計70万円で、上の表のとおり月2.5万円止まります。月給だけで計算すると「止まらない」と読み違える組み合わせです。

もう1つ。止まった分は、あとで戻ってきません。繰下げ(受け取りを遅らせて年金を増やすこと)の増額の対象にもならないと、日本年金機構は書いています。繰下げで増やす計画の人は、年金の繰下げ、何歳まで生きれば得かの計算と合わせて見る必要があります。働いて止まる分は、そもそも増える元に入りません。

向かない読み方

私ならこうする

書き手のアイコン書き手

私なら、まずねんきん定期便で報酬比例部分の年額を見て、12で割ります。それが基本月額です。次に、去年1年の賞与の合計を12で割って月給に足す。この2つを足して65万円と比べるだけで、止まるかどうかは5分で分かります。

超えそうなら、時間を減らす前に、超える額を見ます。5万円超えて止まるのは2.5万円。働いた分の半分は手元に残ります。「止まるから働かない」と決める前に、この半分を計算に入れます。

それと、線は毎年度動きます。私なら、4月に日本年金機構のページで今年度の額を確かめてから、その年の働き方を決めます。

この記事でわからないこと

働いた分が毎年10月に年金へ足される「在職定時改定」も、この線の影響を受けます。増えた分の半分が止まる仕組みは在職定時改定はいつ、いくら増える?に書きました。

次にやることを1つ。ねんきん定期便の「老齢厚生年金」の報酬比例部分の額を、12で割ってみてください。

その額に月給と賞与÷12を足すと、65万円を超えそうですか?

日本年金機構「在職中の年金(在職老齢年金制度)」・用語集「在職老齢年金」(いずれも2026年4月1日更新)、厚生労働省「在職老齢年金制度の見直しについて」をもとに、制度の一般的な仕組みを説明したものです(2026年10月18日確認)。個別の年金の助言ではありません。あなたの年金額は、ねんきん定期便・ねんきんネット・年金事務所で確かめてください。

よくある質問

在職老齢年金の基準は62万円ですか、65万円ですか

2026年4月からは月65万円です。62万円は法律が成立した2025年6月時点の額で、基準は毎年度、賃金の変動に合わせて改定されます(厚生労働省・日本年金機構、2026年10月18日確認)。

在職老齢年金で止まる額はどう計算しますか

基本月額(報酬比例部分の月額)と総報酬月額相当額(標準報酬月額+1年の標準賞与額÷12)の合計が65万円を超えたら、超えた分の半分が止まります。65万円以下なら全額支給です(日本年金機構)。

働いて給料が多いと、基礎年金も止まりますか

止まりません。日本年金機構は、老齢基礎年金と経過的加算額は全額支給と書いています。止まるのは老齢厚生年金の部分だけです。

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