投資・税金・年金・家計を、だまされずに確かめるブログ

年金・老後公開 2026-10-21 ・ 更新 2026-10-21

在職定時改定はいつ、いくら増える?65歳から働く人の年金

このページには広告(アフィリエイトリンク)を含むことがあります。

在職定時改定はいつ、いくら増える?

65歳を過ぎて会社で厚生年金に入って働くと、毎年10月分の年金から、1年分の働いた分が足されます。条件は、その年の9月1日に厚生年金に入っていること。月給(標準報酬月額)が20万円なら年1.3万円ほど、30万円なら年2万円ほどの増え方です(筆者の概算)。ただし、年金と給与の合計が高い人は、増えた分の半分が止まります。

この仕組みを「在職定時改定」と呼びます。名前が長いだけで、中身は「働いた分を毎年反映する」です。

書いている私は、相場のロジックを100以上検証してきたシステムエンジニアです。年金の専門家ではないので、日本年金機構と厚生労働省の原文を開いて確かめた内容と、前提を書いた自分の概算だけを載せています。

先に1分チェック:この記事はあなた向け?

  1. 65歳以上70歳未満ですか。この年齢の外は別の仕組みです
  2. 会社で厚生年金に入って働いていますか。個人事業やフリーランスだと、増える対象になりません
  3. 老齢厚生年金を受け取っていますか。受け取っていない(繰下げ中など)人は、この記事の相手ではありません

3つとも「はい」の人向けに書きます。

いつ、何が起きる?

日本年金機構の説明を並べるとこうなります。

つまり、9月1日をまたいで働いていたかどうかが分かれ目です。8月末で辞めて、そのまま1カ月以上空くと、その年の反映は見送られます。

辞めたときや70歳になったときは、別の仕組み(退職改定)が働きます。機構は、退職して1カ月が過ぎたとき、または70歳に到達したときに、翌月分から年金額を見直すと書いています。在職定時改定は、辞めるのを待たなくても毎年反映するための仕組みです。厚生労働省の資料にも、これで「就労を継続したことの効果が、退職を待たずに早期に年金額に反映される」とあります。

質問2で見る:増える額を先に概算する

このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。今回は2つ目、「自分が損する場合は書いてある?」です。損の話の前に、まず増える額を見ます。

増える額は、働いた1年の報酬に比例します。日本年金機構の用語集は、2003年4月以降の分を「平均標準報酬額(月給と賞与の総額÷月数)に乗率を掛け、月数を掛ける」形で説明しています。ここでは機構の資料にある乗率 5.481/1000 を使い、再評価率と従前額保障は無視した概算で計算します。

標準報酬月額(賞与なし)1年働くと増える額(概算)月あたり
20万円年 約1.3万円約1,100円
30万円年 約2.0万円約1,600円
40万円年 約2.6万円約2,200円

筆者の概算。月給×5.481/1000×12カ月。賞与なし。再評価率・従前額保障・共済期間・加給年金は入れていない。実際の額は人ごとに違い、機構の案内(ねんきんネット・年金事務所)で確かめる。

月1,000円台。派手な額ではありません。ただ、この増え方は一生続きます。70歳まで5年続ければ、月給30万円の人で年10万円ほど。受け取る年金に積み上がっていく額です。

損する場合:増えた分の半分が止まる

ここが落とし穴です。機構のページには、「年金額が再計算された結果、支給停止額が変更となる場合があります」と書いてあります。

在職老齢年金は、基本月額(老齢厚生年金の月額)と総報酬月額相当額(月給+賞与の12分の1)の合計が65万円を超えると、超えた分の半分が止まる仕組みです。くわしい式は在職老齢年金の基準は62万円か65万円かに書きました。

この式を前提にすると、基本月額が1,000円増えたとき、線を超えている間は停止額も500円増えます。手元に残る増えは半分です。給与がたっぷりある人ほど、在職定時改定の効果は薄まります。

ただし、止まるのは老齢厚生年金の部分だけです。70歳に到達すると、機構は支給停止がなくなって全額支給されると書いています。止まった分が戻るわけではありませんが、そこから先の年金は、積み上がった額で出ます。

向かない読み方

私ならこうする

書き手のアイコン書き手

私なら、増える額の大きさより先に、9月1日に被保険者でいるかどうかを確かめます。辞める時期や転職のタイミングで、1年分の反映が丸ごと変わるからです。

それと、給与と年金の合計が65万円の線に近い人は、増えた分の半分が止まる前提で見ます。「増える」という言葉だけで安心しないで、手元に残る額で考える。私ならそうします。

この記事でわからないこと

次にやることを1つ。ねんきんネットで、今の老齢厚生年金の額を確かめてください。10月分の通知が届いたら、去年との差を見ると増えた額がわかります。

あなたは、9月1日に厚生年金に入っていましたか。

日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」「令和4年4月から年金制度が改正されました」「報酬比例部分」(2026年4月1日更新分)、厚生労働省「年金制度の仕組みと考え方 第10」を2026年10月21日に確認。制度の一般的な説明で、個別の年金額・税務の助言ではありません。

よくある質問

在職定時改定はいつから年金に反映されますか

基準日の9月1日に65歳以上70歳未満で厚生年金に入っていれば、翌月の10月分の年金から反映されます。(日本年金機構)。

在職定時改定でいくら増えますか

働いた1年の報酬に比例します。月給(標準報酬月額)20万円・賞与なしで年1.3万円ほど、30万円で年2万円ほどという筆者の概算です。再評価率などで実際の額は変わります。

在職定時改定で増えた分は、在職老齢年金で止まりますか

給与と年金の合計が65万円を超えている間は、増えた分の半分が新たに止まります。日本年金機構も、再計算の結果、支給停止額が変わる場合があると書いています。

次に読む