家計の支出は6年で何が増えた?2019年と2025年の家計調査を比べた
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総務省の家計調査で2019年と2025年を比べると、二人以上の世帯の消費支出は年に約24.7万円増えていました。そのうち約17.3万円、ちょうど7割が食料です。
「何もかも高くなった」と感じますが、数字で見ると増え方はそろっていません。10の費目のうち、2つは減っていました。下の表で、どこが増えてどこが減ったかを順に見ます。
先に、比べ方の前提
- 使った表:家計調査 家計収支編「二人以上の世帯」第4-6表の平均の列。1世帯あたりの年間の支出金額です
- なぜ2019年と比べるか:2020年は外食や旅行が大きく落ちた年で、そこから比べると増え方が大きく見えます。その前の2019年を起点にしました
- 金額は当時のままです:物価の動きを除いていません。同じ物を同じ量だけ買っても、値段が上がれば増えます
- 世帯の中身も少し違います:世帯人員は2.97人から2.87人に減っています
10の費目で見る:増えた8つ、減った2つ
| 費目 | 2019年 | 2025年 | 差(年) |
|---|---|---|---|
| 食料 | 96.6万円 | 113.9万円 | +17.3万円 |
| 光熱・水道 | 26.3万円 | 29.5万円 | +3.1万円 |
| 交通・通信 | 52.6万円 | 54.9万円 | +2.3万円 |
| 保健医療 | 16.8万円 | 19.0万円 | +2.2万円 |
| 住居 | 20.5万円 | 22.4万円 | +1.9万円 |
| 教養娯楽 | 36.8万円 | 38.5万円 | +1.7万円 |
| 家具・家事用品 | 14.1万円 | 15.7万円 | +1.6万円 |
| 教育 | 13.8万円 | 14.3万円 | +0.5万円 |
| 被服及び履物 | 13.6万円 | 12.1万円 | −1.5万円 |
| その他の消費支出 | 61.0万円 | 56.5万円 | −4.5万円 |
| 消費支出の合計 | 352.1万円 | 376.8万円 | +24.7万円 |
読むのは一番上の行です。増えた24.7万円のうち、食料が17.3万円。割り算をすると70.0%でした。2番目の光熱・水道は3.1万円で、食料の5分の1もありません。
月にならすと、消費支出は29.3万円から31.4万円へ、約2.1万円の増加です。食料だけで月に約1.4万円増えています。
食料の中で、何が増えたか
| 品目 | 2019年 | 2025年 | 増え方 |
|---|---|---|---|
| 米 | 23,212円 | 42,739円 | +84.1% |
| 調理食品 | 128,386円 | 162,964円 | +26.9% |
| 菓子類 | 87,469円 | 110,527円 | +26.4% |
| 外食 | 176,917円 | 198,759円 | +12.3% |
率でいちばん大きいのは米で、6年で1.8倍。ただ、金額で見ると話が変わります。米の増加は年に約2.0万円。調理食品は約3.5万円で、こちらのほうが家計には重い。率と額は、別々に見ないと取り違えます。
食料が消費支出に占める割合も出しました。2019年が27.4%、2025年が30.2%です。支出の3割が食べ物、という線を超えました。
この3割の食費に、2027年4月から税の変化が来るかもしれません。食料品の消費税を2年間1%にする案が閣議決定されました。外食とお酒は対象外です。この表の数字で効き目を計算したのが食料品の消費税1%はいつから?です。
減った2つの中身
減ったほうも見ておきます。
- 交際費:142,851円から111,052円へ、年に約3.2万円(22.3%)減りました。「その他の消費支出」が減った分の多くがここです
- 被服及び履物:年に約1.5万円(11.0%)の減少です
- 通信:「交通・通信」は全体では増えていますが、中の通信だけを取り出すと163,191円から140,068円へ、約2.3万円(14.2%)減っています
通信のうち携帯電話の通信料がどう動いたかは、スマホ代の平均は月いくら?で年ごとに追いました。
ここで分かるのは、食料と電気代が増えた分の一部を、交際費・服・通信が埋めている形だということです。埋めきれなかった残りが、24.7万円になっています。
電気代は、年に約2.9万円増えた
光熱・水道の中では、電気代が129,905円から158,622円へ増えました。年に約2.9万円、22.1%です。光熱・水道の増加3.1万円は、ほぼ電気代で説明がつきます。
質問1で読む:その数字の出典は?
このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。1つ目は「出典は?」。
「食費が◯割上がった」という話を見かけたら、確かめる点は3つあります。どの年と比べているか。値段の話か、払った額の話か。どんな世帯の平均か。
たとえば外食は、2020年の129,726円から比べると2025年は53%増です。2019年からだと12%増。起点を1年ずらすだけで、同じ統計から4倍以上ちがう数字が出ます。この記事が2019年を選んだ理由は、最初に書いたとおりです。
平均には、もう1つ癖があります。世帯主の平均年齢は60歳前後で、子育て中の世帯の姿とは離れています。平均と自分を比べるときの注意は、貯金の平均と中央値でも同じでした。
私ならこうする
私なら、節約を考える前に、自分の家の食費を2019年ごろと比べます。クレジットカードの明細か家計簿アプリに、古い年が残っていれば足ります。
平均は月に約1.4万円の増加でした。自分の家がそれより大きく増えているなら、見る場所は食料の中です。表の4品目のどれが動いたかを先に探します。
逆に、平均より増えていなければ、食費を削る話は後回しでかまいません。削る所を間違えると、続きません。
この記事でわからないこと
- 物価の動きを除いた実質の増減。消費者物価指数を今日は開いていないので、計算していません
- 増えた理由・減った理由。支出金額は値段と買う量の両方で動くので、この表だけでは分けられません
- 単身世帯の数字と、年代別・年収別の動き。今回は二人以上の世帯の平均だけです
- あなたの家の適正な食費。平均は目安で、家族の人数と年齢で変わります
お金を動かす前に、1つだけ確かめる。今回の1つは、自分の家の食費の、6年前との差です。
食費は増えたと感じていますか。それとも、数字で比べたことがありますか?
よくある質問
家計の支出は2019年からいくら増えましたか
総務省の家計調査(二人以上の世帯)では、消費支出は2019年の年3,520,547円から2025年は3,768,007円になり、約24.7万円(7.0%)増えました。月にすると約2.1万円です。物価の動きを除いていない金額です(筆者の計算、2026年10月9日確認)。
いちばん増えた費目は何ですか
10の費目では食料で、年965,536円から1,138,736円へ約17.3万円増えました。消費支出の増加の約70%にあたります。食料の中では、米が84.1%増、調理食品が26.9%増でした(家計調査 第4-6表から筆者が計算)。
減った費目はありますか
被服及び履物(年約1.5万円減)と、その他の消費支出(年約4.5万円減)が減っています。その他の中では交際費が約3.2万円減りました。交通・通信は全体では増えていますが、通信だけを見ると約2.3万円減っています。
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