食料品の消費税1%はいつから?国税庁の資料で読む2年間
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スーパーで買う食料品の消費税は、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、8%から1%に下がる案です。外食とお酒は10%のままです。
ただし、まだ法律になっていません。国税庁の特設サイトにも「法案が国会に提出され、審議を経た上で可決・成立した場合のもの」とはっきり書いてあります。
家計への効き目も計算しました。二人以上の世帯の平均的な食費(外食とお酒を除く)なら、値下げが値札に全部出たとして年に約5.8万円、月に約4,800円です。
先に1分チェック
- 食費のうち、外食とお酒はどれくらいですか。この2つは10%のままなので、値下げの外です
- 食材の定期便やカタログのギフトを申し込んでいますか。申し込んだ時期によっては、2027年4月以後も8%のままです
- 働いていて、年収は高くない方ですか。同じ大綱で、働く人向けの「支援金」も2027年4月から始まる予定です
決まっていること:期間・税率・対象
まず、国税庁のリーフレットとQ&Aに書いてある範囲です。
| 品目 | 今 | 2027年4月〜2029年3月 |
|---|---|---|
| 飲食料品(スーパー・コンビニの食品、テイクアウト、出前) | 8% | 1% |
| 新聞の定期購読(週2回以上発行) | 8% | 8% |
| 外食・お酒・ケータリング・医薬品 | 10% | 10% |
対象の範囲は、今8%になっている飲食料品とまったく同じです。新しく対象を決め直すのではなく、8%の箱の中身をそのまま1%に移す形です。
なので「この食品は1%?」と迷ったら、今の軽減税率の線引き(店で食べるか持ち帰るか、など)がそのまま答えになります。
まだ決まっていないこと
ここが、ニュースの見出しだけだと抜けやすい所です。
- 法律そのもの。9月15日に閣議決定されたのは「大綱」で、国会で法案が成立して初めて決まります。10月14日の時点で、国税庁の資料はすべて「成立した場合」の説明です
- 店の値札がいくら下がるか。税率が下がっても、値段を決めるのは店です。税率の差がそのまま値札に出る、とはどこにも書いてありません
- 支援金の金額。大綱には考え方だけがあり、1人いくらという数字はまだありません(下で詳しく)
ここで、3つの質問の1つ目「その数字の出典は?」を使います。SNSで「食費が◯万円浮く」という数字を見たら、それが国の資料の数字か、誰かの計算かを確かめます。国の資料には、家計がいくら浮くという数字は出ていません。だから下の計算も、私が前提を置いて出したものです。
計算してみた:平均的な世帯で年いくら
使ったのは、総務省の家計調査(2025年、二人以上の世帯の平均、世帯人員2.87人)です。
| 項目 | 年額 |
|---|---|
| 食料(全体) | 1,138,736円 |
| うち お酒(10%のまま) | −45,406円 |
| うち 外食(10%のまま) | −198,759円 |
| 1%になる食費 | 894,571円 |
| 値下げが全部値札に出た場合の差 | 年57,981円(月4,832円) |
税込1,080円の買い物が1,010円になる計算です。8%込みの値段に101÷108を掛けると、1%込みの値段になります。
2年続けば約11.6万円。ただしこれは上限に近い数字です。値下げが半分しか値札に出なければ、年に約2.9万円です。
もう1つ、外食の中には学校給食(年7,172円)が入っています。給食は今8%の対象なので本当は1%側ですが、家計調査では外食とまとめて外しました。その分、上の計算は少し小さめに出ています。
8%のまま残る買い方
計算の前提は「2027年4月以後に普通に買う」ことでした。そこから外れる買い方が2つあります。Q&Aの問1-6です。
- 食材の定期便。2027年1月1日より前に結んだ定期供給の契約で、4月1日より前に代金を先払いした分は、4月以後に届いても8%です。Q&Aの例では、月10,800円の定期便が1%なら10,100円になる所、先払いした分は10,800円のままです
- カタログ・通信販売。2027年1月1日より前に販売条件が出されていて、4月1日より前に申し込んだ分は8%です。お中元やギフトのカタログ販売が例に挙がっています
どちらも、契約や販売条件に「1%になったら◯◯円にする」と書いてあれば、1%で扱われます。2027年の春に年単位の定期便を先払いする予定がある人は、その一文が入っているかを見ておくと安心です。
同じ大綱で始まる「就業者負担軽減支援金」
消費税の話と同じ大綱に、もう1つの制度が入っています。働く人に現金を配る「就業者負担軽減支援金」です。大綱は、消費税の引下げをこの支援金の本格導入(2029年度)までの「つなぎ」と位置づけています。
- 始まる時期:2027年4月から
- 対象:個人ごと。前年の給与などの「勤労所得」が下限を超え、所得が上限以下で、住民税と社会保険料の負担が一定以上ある人。2027・2028年度は16歳未満の子の数でも額が変わる
- 金額:未定。2027・2028年度は、支援金全体の費用が「飲食料品に係る消費税1%相当分の範囲」と書かれているだけ
- 受け取り方:住んでいる市区町村が認定して年1回支払う。国に給付金の口座(公的給付支給等口座)を登録している人は、申請なしの認定が原則。支援金に税金はかからない
下限・上限・金額は、どれも「定める」とだけあって数字がありません。いま「支援金でいくらもらえる」と書いてある記事があれば、それは国の数字ではありません。
このニュースで損をしやすい場面
税率が下がる話なので、損の場面は少なく見えます。それでも気をつけたい所が3つあります。
- 「下がる前に買いだめ」は逆。2027年3月までは8%です。保存できる食品でも、4月を待った方が税は少なくなります
- 外食が多い家は効き目が小さい。外食とお酒は10%のまま。食費の多くが外食なら、上の計算よりずっと小さくなります
- 「消費税が下がるので今だけ」の勧誘。成立前の制度を理由に急がせる話は、まず疑ってよい場面です
家計全体で何が増えてきたかは、家計の支出を2019年と2025年で比べた記事に表があります。この6年で増えた支出の約7割が食料でした。1%への引下げは、ちょうどその一番増えた所に当たる話です。
私ならこうする
私なら、今は何も動かしません。法律が成立したかどうかを、国税庁の特設サイトの新着で確かめるのが先です。
成立したら、2027年1月までに1つだけ見ます。続けている定期便や、年単位で先払いしている食品の契約です。「1%になったら」の一文が無ければ、先払いの時期をずらすかを考えます。
支援金は、金額が出るまで家計の予定に入れません。入ってくる時期も額も分からないお金を、先に使う計画にはしない、というのが私の線です。
同じように今年変わった税の話では、2026年分の基礎控除も年末調整で効いてきます。こちらは法律が成立済みです。
この記事でわからないこと
- 法案がいつ国会に出て、成立するか。今日の時点では分かりません
- 店の値札がいくら下がるか。値段は店が決めるので、税率の差がそのまま出るとは限りません
- 支援金の金額、所得の下限と上限。大綱に数字がありません
- 単身の世帯の計算。今日は二人以上の世帯の表だけを使いました
- あなたの家の効き目。食費の中身(外食・お酒の割合)で大きく変わります
お金を動かす前に、1つだけ確かめる。今回の1つは、国税庁の特設サイトの「新着情報」です。成立したら、そこに出ます。
あなたの家の食費のうち、外食とお酒はどれくらいの割合ですか?
よくある質問
食料品の消費税1%はいつからですか
国税庁の資料では、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間です。ただし2026年9月15日に閣議決定された大綱にもとづく案で、法案が国会で成立した場合の内容です(2026年10月14日確認)。
外食やお酒も1%になりますか
なりません。外食・お酒・ケータリング・医薬品は10%のままです。1%になるのは、今8%の対象になっている飲食料品(テイクアウトや出前を含む)で、週2回以上発行の新聞の定期購読は8%のままです(国税庁 Q&A 問1-2)。
就業者負担軽減支援金はいくらもらえますか
まだ決まっていません。大綱には、2027年4月から導入すること、個人ごとに所得などで対象を決めること、2027・2028年度は全体の費用を飲食料品に係る消費税1%相当分の範囲にすることが書かれていますが、1人あたりの金額や所得の上限・下限の数字はありません(2026年10月14日確認)。
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