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家計・お金の悩み公開 2026-10-08 ・ 更新 2026-10-08

実家の片付けで捨てる前に査定?売る前に確かめる5つ

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実家の片付けと査定

「捨てる前に、まず査定を」。実家の片付けを調べると、どのページにもこう書いてあります。確かめた答えは、査定は出していい。ただし、売る前に確かめることが5つある、でした。

いちばん意外だったのは、出張買取の取り消し(クーリング・オフ)です。家に来てもらって売った物は8日間取り消せます。ところが家具・本・大型の家電など6品目は、その決まりの外でした。

書いている私は、相場のロジックを100以上検証してきたシステムエンジニアです。法律や税の専門家ではないので、消費者庁・国税庁・国民生活センターの原文と、法令の条文を開いて確かめた内容だけを載せています。

先に1分チェック:今日、売ってもいい状態か

  1. 亡くなった人に借金があるかもしれず、相続放棄を考えていませんか。考えているなら、売るのも捨てるのも止めます
  2. 相続人は自分1人ですか。きょうだいがいるなら、遺品はまだ全員の物です
  3. その買取業者は、自分から呼びましたか。頼んでいないのに来た業者には売りません

3つとも大丈夫なら、査定に進めます。1つでも引っかかった人は、下の該当する節を先に読むほうが早いです。

①相続放棄を考えているなら、売らない・捨てない

5つの中で、取り返しがつかないのはここだけです。

民法921条は、相続人が相続財産の全部または一部を「処分」したとき、相続を認めた(単純承認)とみなす、と決めています。認めたことになると、借金も引き継ぎます。あとから放棄はできません。

放棄するかどうかを決める期限は、相続が始まったと知った時から3か月(民法915条、裁判所の案内も同じ)。片付けを急ぎたくなる時期と、ちょうど重なります。

条文には、保存のための行為は別だと書いてあります。では遺品を売るのは、古い服を捨てるのは、どこからが「処分」なのか。条文だけでは私には線が引けませんでした。借金の心配が少しでもあるなら、片付けより先に家庭裁判所か弁護士・司法書士に聞く所です。

②きょうだいがいるなら、遺品はまだ全員の物

放棄の心配がない家でも、すぐ売っていいとは限りません。相続人が何人かいるとき、相続財産は全員の共有になります(民法898条)。分け方が決まる前の掛け軸や指輪は、片付けている人だけの物ではない、ということです。

査定そのものは、物を手放さないので問題になりにくいでしょう。もめるのは、値段を1人で決めて売ったあとです。私なら、査定額が出た時点で写真と金額を全員に送り、返事が来てから売ります。

そもそも相続税がかかる家かどうかは、基礎控除を仮の家族で計算した記事で線を確かめられます。

③「査定を頼む」と「売る」は、別の日にする

全員の合意が取れそうなら、次は呼び方です。消費者庁の特定商取引法ガイドに、知らなかった決まりが2つありました。

つまり「今日は査定だけ」と先に伝えておけば、その場で「いま売りませんか」と押すのは業者の側の違反になります。電話の時点で、見てもらう物の種類と「査定だけ」をはっきり言う。これだけで断りやすさが変わります。

業者には、名乗る義務もあります。会社の名前、買い取りの勧誘が目的であること、買おうとしている物の種類。この3つを勧誘の前に告げる決まりです。玄関で名乗らない相手を、私は家に上げません。

④取り消せるのは8日間。ただし6品目は対象外

査定の日に、結局その場で売ってしまった。そういうときのために、取り消しの決まりがあります。

出張買取(法律の言葉では訪問購入)で売った物は、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内なら、契約を取り消せます。書面でも、メールなどの電磁的記録でも構いません。

もう1つ、売ったあとの話があります。この8日の間、物を渡さずに手元に置いておけます(引渡しの拒絶)。契約はしたけれど品物は来週、で通ります。渡してしまうと、転売されたあとで戻らないおそれがあるからです。業者がよそへ引き渡したときは、売った人に知らせる義務もあります。

ここまでは心強い決まりです。ところが政令を開くと、この決まりがかからない物が6つ並んでいました。

決まりの対象外(政令34条)実家でいうと
自動車車
家庭用の電気機械器具(持ち運びやすい物を除く)冷蔵庫・洗濯機など
家具たんす・食器棚・机
書籍本・全集
有価証券商品券・株券など
レコード、音・映像・プログラムを記録した物レコード・CD・DVD・ゲームソフト

左の列は特定商取引に関する法律施行令 第34条の6つ(e-Gov 法令検索、2026年10月8日確認)。右の列は私が実家の物に当てはめた例で、どの品が当たるかの公式の一覧は今日は見つけていません

実家の片付けで量が多いのは、まさに家具と本と家電です。この6つは、家で売っても8日間の取り消しがありません。値段に納得してから渡す。当たり前のことが、ここではそのまま最後の守りになります。

逆に、着物・貴金属・骨とう・掛け軸・カメラのような物は対象の中です。値段が読みにくい物ほど、8日間の決まりが使えます。

⑤1つ30万円を超える貴金属・骨とうは、税の扱いが変わる

売れた場合の税金も、物によって分かれます。国税庁の No.3105 では、家具や衣服のような生活に使う動産を売ったお金は課税されません。ただし、貴金属・宝石・書画・骨とうなどで、1個または1組が30万円を超えるものは除く、と書いてあります。

ほとんどの遺品は、この線の下でしょう。けれど査定で1点30万円を超える値が付いたら、話は別です。申告が要るかどうか、いくらになるかは、計算の前提が家ごとに違うので、売る前に税務署に聞く所です。

実家の建物や土地まで売る段階の税金は、空き家の3,000万円控除を仮の家族で計算した記事に分けて書きました。

質問3で読む:「捨てる前に査定を」と言うのは誰か

このブログでは、お金の話に3つの質問を当てています。今回は3つ目、「すすめる人の収入源は?」です。

「捨てる前に査定を」で検索して私が開いたページの多くは、買取業者か、買取業者を紹介するサイトです。買取業者の収入は、買った値段と売る値段の差。出張費も査定料も無料にできるのは、その差から出るからだと私は読みました。

だから言っていることが嘘だ、とは思いません。捨てれば0円で、査定に出せば値段が付く物があるのは本当でしょう。ただ、安く買うほど業者の取り分が増える仕組みなのも本当です。「無料」は入口の話で、値段の話ではありません。

国民生活センターの集計では、2025年度の訪問購入の相談は7,523件。契約した本人が70歳以上だった割合は55.9%で、ほかの売り方より高くなっていました。親が1人で応対する形は避けたい、と数字を見て思います。

このブログも、いずれ買取サービスの広告を置くつもりです。今日の時点では広告はありません。置いたときは、その場所に「広告」と書きます。

損する場合:査定に出さないほうがいい人

私ならこうする

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私なら、片付けの初日は何も捨てず、何も売りません。値段が読めない物を1か所に集めて、写真を撮るだけにします。

次に、放棄の心配がないことと、きょうだいの返事を確かめます。そのあとで業者を自分から呼び、電話で「査定だけ」と伝えます。立ち会いは2人。その場では売らず、金額を持ち帰ります。

売ると決めたら、書面をもらい、品物は8日間手元に置きます。面倒に見えますが、ここまでやって困るのは急いでいる業者だけです。

この記事でわからないこと

お金を動かす前に、1つだけ確かめる。今回の1つは、業者に電話する前の「相続放棄は考えていないか」です。ここだけは、あとから直せません。

実家でいちばん値段の見当がつかない物は、何ですか?

消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問購入」、特定商取引に関する法律施行令 第34条、民法 第898条・第915条・第921条(e-Gov 法令検索)、裁判所「相続の放棄の申述」、国税庁タックスアンサー No.3105(令和8年4月1日現在法令等)、国民生活センター「2025年度 全国の消費生活相談の状況」(令和8年8月5日)を2026年10月8日に確認しました。制度の一般的な説明で、個別の相続・税務・契約の助言ではありません。

よくある質問

実家の片付けで、捨てる前に査定に出したほうがいいですか

査定は物を手放さないので、出して構いません。ただし売る前に、相続放棄を考えていないか、ほかの相続人の合意があるかを確かめます。民法921条は、相続財産を処分すると相続を認めたとみなす、と決めているためです(2026年10月8日に条文を確認)。

出張買取で売った遺品は、あとから取り消せますか

家に来てもらって売った場合、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内なら取り消せます。その間は品物を渡さずに置いておけます。ただし自動車、家具、書籍、持ち運びにくい家電、有価証券、レコード・CD・DVD などの6品目は、この決まりの対象外です(消費者庁の特定商取引法ガイドと施行令34条)。

遺品を売ったお金に税金はかかりますか

家具や衣服など生活に使う動産を売ったお金は課税されません。貴金属・宝石・書画・骨とうなどで1個または1組が30万円を超えるものは、この扱いから除かれます(国税庁 No.3105、令和8年4月1日現在法令等)。個別の税額は税務署で確かめる所です。

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